ピストンエンジンは永遠か!な?

バイクを中心に話題を紹介します

チャンバーは国家機密だった?

2009年11月13日 | エンジンの怪

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These flat spokes were designed to serve as a functional cooling fan.

フロクです。

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早速、コメントで感想をいただきましたが、ホイールの中に押し込められたエンジンの冷却は考えられていて、赤矢印の示すようにスポークに角度が付いております。

また排気管については、ストレートなパイプではなくチョッピリ膨らんでいるようにも見える。

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突然にゼロ戦。

ゼロ戦に関しては様々な意見があるが、長い期間に渡り使われたためバージョンが多数ある。初期のころは、ロケット効果を期待してウンヌンという記述も多く見られるが、プロペラ機が兵器として使われたというか、近頃の騒音に対して世間の評価が厳しくなるまでサイレンサーなんてものはなかったわけで、バイクやクルマのような長いエキゾーストパイプとサイレンサーは重量を減らすためにも不要だったと思われる。

戦争が終わってからはプロペラ機は主役ではなくなったが、その代わりにレシプロエンジンはクルマやバイクを中心に大衆のものになり、性能競争の舞台はモータースポーツの世界になり、排気システムがエンジンの性能向上に役立つアイテムだと証明したひとりは、皆様もよくご存知のポップ吉村です。

ポップは4スト専門でしたが、2ストではWalter Kaaden。

Expansion chambers were first designed by East German Walter Kaaden during the cold war. They first appeared in the west on Japanese motorcycles after East German motorcycle racer Ernst Degner defected to the west while racing for MZ in the 1961 Swedish Grand Prix. He hid the blueprints under his racing leathers and defected during the race by riding off the track and claiming asylum. He did not finish the race. He later provided the blueprints to Japan's Suzuki.(wikipedia)

初めて理論立てて作ったのはWalter Kaadenだけど、鍵を握ったのは鈴鹿に名前を刻んだErnst Degner。亡命の際にチャンバーの図面を持ち出したそうだ。

つまりエキゾーストチャンバーの”発明”は戦後ということになるが、Kaadenは旧東ドイツだけにKillinger の”チョッピリ膨らんだパイプ”を何らかの参考にした可能性も捨てきれない。

ところで、航空機のエンジンは地上を走るクルマやバイク以上に過酷な条件下にあり、長距離を飛ぶために燃費もよくなくてはならないし、高高度では気圧の変化、宙返りしてもエンジンが止まらないようなキャブレター、その上に軽量ハイパワーのために奇想天外な設計を試して、中には吸気と排気のマニホールドを共有するエンジンも・・・・。

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コレはナンだ?③

2009年11月13日 | エンジン

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コレはナンだ?”の裏側からの画像。

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正解はこのKillinger and Freund Motorcycle(1938年)のフロントホイールに組み込まれた3気筒星型エンジン。

1935年から3年かけて完成したようだ。

ネーミングは”キリンゲルと友人”というところか。

Kga

この画像をみてもモックアップではないと思う。

解説によればMegolaを改良するのが目的であったようだ。エンジンの気筒容積は600ccで2スト3気筒。クラッチと2速トランスミッション。更に前後のサスペンションも備えている。

エンジン重量はホイール込みで50kg、車両重量は軽量で135kgというから空気抵抗の軽減とともに目標を達しているのではないだろうか。

問題はサイレンサーのスペースはないだろうから、出力の向上と静粛性は難しいところか。しかし、それは電気モーターなら解決されるんだね。

この時代は威信を賭けた国家事業だったのだろう。

このシリーズの画像はttp://strangevehicles.greyfalcon.us/より転載。多くの貴重な画像と記述が掲載されていますから、お好きな方なら半日は楽しめると思います。

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