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Kyokasho01 2010年08月14日の朝日新聞山梨版で、「脱ゆとり」展示・教科書148冊検定資料という記事に気が付きました。『審査を経て、竹島に日本の領土を示す国境線が引かれたことが分かる』との写真も掲載された記事で気になったのですが、ちょうど甲府市中央商店街に用事があって、ついでに甲府市総合市民会館を訪問しました。以前にも来たことがある多目的室でしょうか、そこが展示会場になっていました。

文部科学省トップ > 教育 > 小・中・高校教育に関すること > 教科書 > 教科書検定結果 > (2010年3月)平成22年度に行われる教科用図書検定結果の公開について が広報記事です。
『文部科学省では、国民の教科書に対する関心に応え、教科書への信頼を確保するとともに、教科書検定へのより一層の理解を得るため、平成21年度の検定に係る申請図書等検定関係資料を公開します。』

これを受けて2010年3月30日朝日新聞は教科書調査官の意見書初公開 プロセス透明化の一環 との記事を出していることが検索でヒットしました。

2010年5月11日から東京・江東区千石にある財団法人教科書研究センターで展示が始まったのですが、産経新聞は教科書検定プロセスが明らかに 研究センターで資料公開始まる との記事を出しています。その他の全国巡業は秋田、山梨、愛知、奈良、島根、香川、佐賀の7か所、それぞれ10日間に過ぎませんが、終了後は教科書研究センターで常設展示となるそうです。

問題の竹島部分については「教育出版」の検定申請版が該当します。白い表紙が検定申請版でカラー表紙は教科書使用版です。展示されていた各社の小学校5年生社会(上下になっているものが多い)の上巻10ページのあたりに「どこからどこまでが日本なの」というような主旨のタイトルで解説されている部分があり、そこに添えられた地図の問題でした。

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私が「朝日新聞を読んで・・・」と申し上げて入場した為に、係員の方はすぐに検定資料を開いて見せてくださいました。それが下の写真です。左が白表紙の検定版、右が修正版です。竹島の部分に国境線が追加されていますが、画像は縮小してありますので会場で確認してください。

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各社の教科書はどれも、「どこからどこまでが日本国なの」という答えを、北の端、東の端、南の端、西の端として解説してあります。子供に教えるにはこれしか無いのか。もちろんこの書き方は文部科学省が決めた学習要項(? 私はこのあたりよく知りません)に従っているのだと思いますが、4つの島の位置と名前を覚えたところで日本海で何が問題かというテーマをどのように学ばせようとするのかは、私にはわかりません。

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文部科学省の広報ページでは「会場問い合わせ先 : 山梨県教育庁生涯学習課」となっていますが、朝日新聞山梨版の記事にあるように、展示は26日まで(17~19、24日は休み)。問い合わせは県教委義務教育課(055・223・1765)へです。私は20日以後は予定が詰まっているので16日に出かけたのです。
山梨県庁トップ > 組織から探す > 県教育委員会 > 義務教育課に、平成22年度教科書検定結果の公開の実施要項(PDF:32KB)が見つかりました。6月22日制作のPDFファイルと思えます。
今後、教科書研究センターで常設展示されるとはいえ、秋田、山梨、愛知、奈良、島根、香川、佐賀で展示されるという意味は、近隣道府県から教育関係者などが視察に来られることも考慮されているのではないか? その意義が文部科学省から明確に示されたのかどうか、示されていたなら展示開催県ではそれなりの広報活動(インターネット活用)が必要かも知れない・・・と感じました。他県の発信状況は確認していません。

もっとも、会場で頂いた資料の中にアンケート用紙が入っていて、私は気付かずに持ち帰ってしまったのですが、それには来場者記入欄の住所としては「8都県名、その他の道府県」という9つの選択肢しかありませんので、開催地外から来訪する関心度合を把握することを想定しているものではないかも知れません、その気なら47都道府県名を並べます、私なら。
単に民主党政権下の文部科学省アリバイ工作なら、それはそれで面白いネタだと思いました、これに適当につき合う賢い山梨県教育委員会かも知れませんね(^o^)

総合市民会館に入った時に、大ホールで戦没者慰霊祭が終った後で会場を片付けているところでした。看板を見た時に慰霊祭は昨日護国神社であったはずだが?と思いながら通り過ぎたのですが、夜のニュースで甲府空襲の犠牲者、計4196人を追悼する合同慰霊祭で5年に一度開かれるものだと知りました。教科書展示会場には私一人しかいなかったのですが、慰霊祭参会者の皆様はご覧になられてお帰りになった後だったのかも知れません。
平和を考える基本には教育があります。子供たち、孫たちが何をどのように学んでいるかを気にしないなら、教育、平和を語る意味も無い、その想いを私は2010.06.25 第29回甲府空襲 戦争と平和・環境展 2010で書きました。



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