goo blog サービス終了のお知らせ 

ICT工夫

全ての自由を奪えても、自由を求める自由だけは奪えない
  だからネットの使い方も 工夫 したい こうふ のブログ

農畜産物は抜き取り検査で安全だと言えるのか

2011-09-09 00:11:00 | 原発震災

製造現場における品質管理(QC Quality Control)については日本科学技術連盟の名前を私はいつも思い出している。
現在行なわれている農畜産物の放射能汚染検査において、このQCの考え方は活かされているのだろうかと、ずっと疑問に思っている。

ひとつの工場のラインで製造される製品を統計的な理論に基づいてサンプリング(抜き取り)して検査することで、そのラインから出て来る製品が規格に合っていることを保証できる。だから全数検査は行なわずにすむ。
しかし同じ製品だからといって別な工場で作られた製品が規格に合っていることを保証できないのは当然だ。その工場でも同じように統計的QCが行なわれて品質を維持している。

農畜産物は育てる過程でどのような飼料、肥料を与えるかなどをそれぞれの製造者が管理できるから所期の品質が保たれているのだと思う。しかし、今次原発震災による環境変化は農畜産物製造者にはコントロールできないものだ。
そういう環境下にある生産物の抜き取り検査はどうあるべきか、少なくとも行政区域別にサンプリングした結果で、その行政区域全体の安全や危険を語ることはできないだろう。区域内に多数ある工場の製品品質を二、三の工場での抜き取り検査で一括して判定しているような状況と同じになる。

現下の食品について消費者に安全を保証するためには、どのような検査方法が良いのだろうか。初動対策のミスや遅れが、この先何十年も続く不安を生み出したのではないか、と感じている。


2011年9月9日の読売新聞山梨版に2本の記事がありました、上に書いたことの具体的な2例かも知れません・・・
牛自主検査セシウム出ず 競り参加業者「実施よかった」『東京都江東区の精肉卸会社、「放射性物質に汚染された稲わらを食べていない牛とわかっていても、それだけでは消費者に安全を証明できない。検査は全国で広まっており、山梨でも実施してもらえてよかった」と話していた。』
今年産米対象に 放射性物質検査『韮崎市内で刈り取られた玄米を県衛生環境研究所(甲府市)で検査した結果、放射性セシウム、放射性ヨウ素とも検出されなかった。県は同日、安全が確認されたとして、韮崎市全域で今年とれる全品種のコメの出荷を解禁した。検査の対象は、コメを生産していない山中湖、鳴沢、丹波山3村を除く県内24市町村。収穫時期に合わせて10月中旬まで順次検査をし、結果は県ホームページで公表していく。』
お米の検査については、2011.08.04 米の放射性物質調査@山梨県 を書きました。