樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

ミルクで育てる鳥

2023年09月21日 | 野鳥
庭木のクロガネモチにキジバトが営巣し、子育てしています。しばらく前から、「グルッポ、グルッポ」という声が聞こえたり、庭に降りて巣材や餌を集めている姿がよく見られました。
ハトは鳥の中では珍しく完全な植物食で、他の鳥は虫が大量発生する春~夏に繁殖期を迎え、タンパク質に富む虫を雛に与えます。スズメやホオジロのように、普段は植物食の鳥でも繁殖期には虫を捕獲して雛に給餌します。



一方ハトは、親鳥が食べたもの(木の実などの植物)を体内(喉のあたり)でミルク状に加工し、それを雛に与えて育てます。いわば、鳥でありながら哺乳類でもあるのです。
哺乳瓶をはじめベビー用品を販売する「ピジョン(ハト)」という会社がありますが、その名の由来はここにあります。
虫に頼っていないので、他の鳥のように春~夏に限らず、いつでも子育てできます。さすがに冬は難しいでしょうが、春でも夏でも秋でも繁殖します。今ごろ子育てできるのは、鳥ではハトくらいでしょう。マンションにお住まいの方は、秋にベランダでドバトが繁殖したという経験があるのではないでしょうか。
キジバトが庭で繁殖するのは、2007年以来2回目。愛鳥家としては嬉しいのですが、今週末に庭木の剪定をお願いしているので、どうしようかな~と悩んでいます。
コメント (2)
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