樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

アメリカの野鳥雑誌

2022年05月19日 | 野鳥
日本で発行されているバードウォッチャー向けの商業誌は『Birder』のみですが、アメリカにはいくつかあります。最もポピュラーな野鳥雑誌は、そのものズバリの『Bird Watching』。下は2021年8月号で、「ルリツグミ(表紙の写真)を楽しむために餌や生息地を学ぼう」とか「キンバネアメリカムシクイの保護」「鳥の改名に関する議論」などの記事が掲載されています。



もともとは『Birder’s World』という誌名でしたが、ご多分に漏れず、ネットの普及で発行部数が減ったために、2011年に運営方法を刷新し、誌名も変更。ネット版を定期購読すれば有名な専門家のオンラインセミナーに参加できるなど、複合メディア化したようです。
日本では確立していませんが、欧米では庭に鳥を呼ぶことが一つの文化になっています。その愛好家向けに発行されているのが『Bird & Bloom(鳥と花)』。「鳥のための植物」という特集を組んだり、巣箱やフィーダー(餌台)を紹介したり、鳥だけでなく蝶を呼ぶ方法なども掲載しています。



ウェブサイトにはbirdwatchingとgardeningの2つのメニューがあり、前者には「ハチドリの雌雄の見分け方」「ミソサザイは何を食べるか」など、後者には「ハチドリに最適な多年草」「蝶を引き付ける花」などの記事が掲載されています。
商業誌とは別に、日本野鳥の会は『野鳥』という会員誌を発行してます。アメリカの野鳥保護団体であるオーデュボン協会も当然会員誌を発行していて、タイトルはそのままの『Audubon』。会員が多いので、発行部数は何と43万部。日本の一般週刊誌で発行部数1位の『週刊文春』(50万部)には及びませんが、2位の『週刊現代』(36万部)を大きく上回っています。
そのオーデュボン協会とは別に、アメリカにはAmerican Birding Association(アメリカバードウォッチング協会)という愛鳥団体があり、『Birding』という会員誌を発行しています。オーデュボン協会に比べると会員数は少ないですが、マニアックなバーダーが多いようで、ユニークな特集を組むことで知られているそうです。
例えば、下の2022年3月号の特集は「Discovering cemetery birding」、つまり墓地でのバードウォッチングの勧め。墓地は人の聖域であると同時に鳥の聖域でもあり、大都市でも緑が残る貴重な場所なのでバードウォッチングに最適という趣旨です。表紙の写真は、もともと墓地であったシカゴのリンカーンパークで探鳥する4人の有名バーダー。



墓地でバードウォッチングというとビックリしますが、よく考えると、京都支部では明治天皇陵である桃山御陵で探鳥会をやってますね。一般の墓地とは違いますが…。
コメント (4)
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