樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

バリアフリー探鳥会

2019年11月21日 | 野鳥
11月10日(日)に鴨川でバリアフリー探鳥会を開催しました。身体障害者にバードウオッチングを体験していただこうという催しです。今回で4回目ですが、第2回が雨で中止になったので、実質的には3回目。
主催は日本野鳥の会京都支部、協力は京都市身体障害者団体連合会ですが、企画と運営は私。きっかけは、宇治の探鳥会に車イスのバードウオッチャーが2回連続で参加されたことでした。障害のある人にも「鳥を見たい」「自然に触れたい」という思いがあることに気づき、その方と相談して始めたのでした。


鴨川の河川敷でカモやカワセミを観察

1回目は肢体障害者(手や足が不自由な方)だけでしたが、2回目以降は視覚障害者、聴覚障害者、さらにベビーカー連れの家族も対象にしました。車イスでも望遠鏡が覗けるように開脚式の三脚を確保したり、視覚障害者のために点字図鑑と鳥の声を再生する機器や、聴覚障害者のために要約筆記者を用意しました。
今回、車イスの肢体障害者5名、歩ける肢体障害者7名、視覚障害者2名、聴覚障害者1名、ベビーカー家族1組5名、介護者や関係者を含めると合計28名が参加され、支部のスタッフ13名で案内しました。


白杖を持つ視覚障害者も点字図鑑や声の図鑑で楽しんでいます

最近、義足のアスリートが走ったり跳んだり、車イスの選手がテニスやバスケットボールをプレーする様子を見る機会が増えました。身体障害者もスポーツやバードウオッチングを楽しむのが当りまえの社会になりつつあります。
そのお手伝いをしているわけですが、案内する私たちにとってもさまざまな障害者と交流できる有意義な機会になっています。


今回初めてベビーカー家族が参加してくれました

当日は双眼鏡を貸し出しましたが、一人の車イスの女性がニコンの本格的な双眼鏡を持っておられたので「ご自分のですか?」とたずねると、「1回目のバリアフリー探鳥会の後、主人が誕生日プレゼントに買ってくれたんです」とのこと。ということは、1回目で鳥を見る楽しさを体感されてご主人に伝え、それに応えて高価な双眼鏡を購入されたということでしょう。
それを聞いて、私は涙が出るほど嬉しかった…。毎回いろいろな準備や天気の心配で大変ですが、その甲斐がありました。「また、来年もやろう」という気になりました。
コメント (4)
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