樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

「うがい」は「鵜飼」

2011年11月07日 | 野鳥

宇治川にカワウが増えてきました。留鳥ですが冬になると数が多くなるようです。

翼を広げて休憩しているカワウの姿をよく見ます。カモなど他の水鳥は脂分を羽にこすりつけて防水処理しますが、ウの仲間は脂分の分泌が十分ではないので、水に濡れた後はよく乾燥させないと溺れるからだそうです。水鳥としては決定的な弱点ですね。

ウはことわざや慣用句にもよく登場します。たとえば、よく理解しないまま納得することを「鵜呑み」と言いますし、逆に、納得いくまでよく調べることを「鵜の眼、鷹の眼」と言います。

 

 

翼を広げて乾かすカワウ

 

最近知ったことですが、私たちが風邪の予防として喉を洗う「うがい」は、鵜飼に由来するそうです。捕えた魚を飲み込まずに吐き出す様子にたとえて名づけたのでしょう。

漢字表記は「嗽」ですが、1444年(文安元年)に成立した国語辞典「下学集」には「鵜飼(うがい)嗽(くちすすぎ)也」と書いてあるそうです。「うがい」という言葉ができるまでは、「くちすすぎ」と表現していたわけですね。

しかし、語源の説はどこまでいっても推測に過ぎず、古書に記されているとしても、それが正しいかどうかは立証できません。私はこの手の話はいつもは眉に唾をつけて聞いていますが、この「うがい」は他に考えようがないので90%の確率で信用します。

宇治川には鵜飼もあることですし…。

 

コメント (2)
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