樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

木造列車

2008年09月29日 | 木と乗物
私の故郷には加悦(かや)鉄道という超ローカル線が走っていました。全長5.7kmしかなく、駅も7つ。大正15年に開業し、昭和60年に廃線となりました。
小さい頃はこれに乗って国鉄の連絡駅で乗り換え、舞鶴や京都へ出かけました。今は鉄道跡がサイクリングロードに変わって面影はないですが、往時の機関車や客車を集めた「加悦SL広場」というミニテーマパークが開設され、全国から鉄道マニアが訪れています。

       
         (日本で2番目に古いSL。英国スチーブンソン社製)

私は鉄チャンではないので、実家の近くにありながら行ったことはなかったのですが、木造の客車が展示されているというので、帰省した折に見てきました。
新幹線にしても在来線にしても、現在の列車は外装も内装も金属ですが、ひと昔前は内装には木が使われていました。私の記憶では、少なくとも背もたれと肘掛は木製でした。
ところが、このSL広場には外装まで木製の客車が展示してあります。その一つが、ハブ3形。1889年にドイツで製造された木造客車で、大阪万博にも出展されたそうです。
この頃の客車は、車で言うところのシャーシー以外は基本的に木造なんですね。鉄チャンたちは特に「マッチ箱」と呼んでいるようです。

       
      (外装も木造のハブ3形。ボロボロだったものを2004年に修復)

ケヤキを使った日本製の客車も展示されていて、100年ほど前は良材が豊富だったことを想像させます。これらの木造客車は内部ももちろん木製。床、天井、窓枠、ドア、荷物棚にいたるまで木が使われ、ニスの光沢で落ち着いた雰囲気になっています。

       
        (ハ10形の内装。今の金属車両より温もりがあります)

私自身はこうした木造客車やSLに乗った記憶はなく、覚えているのは鉄製のディーゼル車。いずれにしてもレトロ感覚たっぷりの列車です。そう言えば、明治・大正ものの映画製作のために撮影隊がよく来ていましたっけ。
鉄チャン&鉄子サンは加悦SL広場のサイトへどうぞ。
コメント (2)
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