樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

首かけイチョウ

2007年06月22日 | 伝説の樹
6月初めに久しぶりに東京に出張しました。仕事が終ってから、何ヶ所か樹木のポイントを寄り道して、新幹線に乗る前に日比谷公園で「首かけイチョウ」を見てきました。

      
    (樹の向こうは公園内にある明治36年創業のレストラン「松本楼」)

このイチョウはもともと日比谷交差点にあったもので、明治32年頃に道路拡張のために伐採されようとした際、本多静六という日本初の林学博士が東京市議会議長に掛け合って、日比谷公園に移植したもの。イチョウの移植は不可能と言われる中、「私の首をかけても移植してみせる」と言ったためにこの名前があります。

           
         (幹周り6.5m、推定樹齢400年だそうです)

この本多静六は「日本の自然公園の父」とも言える人で、日比谷公園をはじめ明治神宮、福岡の大濠公園などを設計したほか、東北地方に鉄道防雪林を設けたり、国立公園の開設を指導しています。また、博覧強記で知られ、生涯に376冊もの本を書いたそうです。
その一方で、節約して投資しながら莫大な資産を築き、故郷の埼玉県に広大な山林を所有したものの、後にすべてを県に寄贈しています。その生き方や投資術が注目され、最近は樹木分野だけでなく経済分野の雑誌や単行本に時々登場します。
なお、明日から3日間、信州に鳥見ツアーに出かけますので、来週月曜日はお休みして火曜日にアップします。
コメント (2)
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