湘南オンラインフレネ日誌

フリースクール湘南オンラインフレネ学習的就労支援活動・災害ボランティアの実践を書き溜めていきます。

ビッグイシュー高円寺販売員Oさんの生涯から生まれた詩

2010-02-08 08:00:49 | 引きこもり
ビッグイシュー販売員Oさんの経歴を東京ボラセン・フォーラム分科会発表で知った。Oさんが路上に出るまで、ビッグイシューに出会うまでの貴重な発表だった。Oさんにお願いして湘南あすなろ会の冊子「便り」と、私のブログへの転載をお願いし、快諾を得た。Oさん、感謝。

関西で妻子を抱え派遣社員として出稼ぎ。一昨年のリーマン・ショックの派遣切りで失職。再就職ままならず、東京・関西を徘徊。離婚。松林で自殺を図るも失敗、新宿に戻る。そこでビッグイシューの路上脱出ガイドをもらい、冊子を契機にビッグイシュー東京事務所を訪ね、販売員となり現在に至る。生きる活力をもらったと語り、彼が自作の詩を紹介した。


(転載不許可)

「まっすぐ」 高円寺販売Oさん

 曲がる必要のない
 角を曲がり
 もどる理由のない
 道をもどった
 まっすぐだったんだ
 今ふり向いてみると
 それがわかる
 まっすぐに行けば
 よかったんだ
 みんな失くした
 何も残らなかった
 悔いだけが
 残った
 まにあうのか
 まにあうのか
 まにあうのか
 だいじょうぶだ
 今 まだ
 まっすぐな道が
 眼の前に
 見えている

(校正1回目済み)
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SCOM非常用ボタン出動と/東京ボラセン・フォーラム参加を終えて/放置傘再販活動発火の出会いか?

2010-02-08 07:53:50 | 引きこもり
東京ボラセンのフォーラムに、この3日間行ってきたのだが、父をホームに預けていたわけではないので、冷や汗のかきどうしだった。土曜日の昼間は母の友人親子の支援を受けた。しかし、それでも母からのメールは3通を超えており、1回は悲鳴のような母の呼び戻し電話がかかっていた。

初日、金曜日の夜、父が夕食をひっくり返して転倒していたのだった。目の前に母がいるのに父は、でがけに私が父の首にさげさせたSECOMの非常ボタンを入れてしまった。場面が把握できないのだ。

緊急時に出動確認電話が、まず私の携帯に、次に母の携帯に、最終的には我が家の固定電話にかかってきて、応答がないと出動となる。また、出動してくれとなると出動する。この日、私は立食パーティーが始まる前の話し合いの席にいたので、携帯電話を切っていた。母は身近に携帯を置かず、マナーモードにしているということで、我が家の固定電話が鳴った。母が取ったから良かったものの、そのときは母は知人の暇つぶし電話と思い込み、出るのを躊躇したらしい。出動だったら5千円かかってしまうところだったといいつつ、本当に来てくれるんだねと機能に感心していた。

母が「ひとりで、これから父を起こさなくてはならないが、私がいるから大丈夫」と電話を切ったらしい。それでSECOMが案じて警察に連絡したようで、パトロール巡回していた警察官が玄関先に現れて、それで母がパニックを起こして私に電話したというのが真相だった。母の入室許可の声を聞いて警察官が手を貸してくれたので、父が立つことが出来たという。さすがに移動までは面倒をみてくれなかったが、事態を切り抜けられた。酔客の介助をしているので、手馴れたものだったとは母の感想。

翌朝、私は茅ヶ崎警察署にお礼の電話を入れたものの、警察官が屋内介護された当事者というのは、そうざらにはいない。「パトカーじゃなかったか」と、私はまた噂がと思って母に聞いたが、「玄関で送ったけれど、車の音はしなかった」とのことで、自転車らしかった。

こんな事件が起きても、それでもなお、携帯電話を傍らに置かないのだから習慣というものは恐ろしい。母は父の首から非常用スイッチを取り去り、「はずしておけば大丈夫だから」と言い放った。何の解決にもならないのだ。

土曜日は、帰宅時に嫌な予感がしたので電話すると、父の紙パンツを使い果たして残り2つだけになっていた。母から「買出しにいけるわけがないだろう」と叱られる始末。冗談ではない23時近くになって、どう紙パンツを補充すればいいのか。散々悩んだ末に、「大船のSEIYUが24H営業」で、たしか雑貨や乳児用のミルクなどがあったことを思い出し、そこに大人用の紙パンツなどがあたはずだと、賭けにでた。この賭けは当たった。種類は少ないが目的の紙パンツと尿取りパッドを手に入れることができた。おそらく東海道沿線で、駅に近い一番遅い時刻のオムツ類常備店だろう。助かったと思いつつ、深夜の若者だらけの車内に驚きと顰蹙を持ち込んだおっさんであった。座席に座るや、隣に隙間が出来た。

最終の日曜日は、「協働労働の協同組合」の分科会を最後に、全体会や交流会に参加しないで帰宅したので、母の癇癪は爆発せずに済んだというものの、3日間の洗濯物の山。冷蔵庫の中は主要食材が使い果たされて、これも予測通り、帰りに食材の細かい袋だらけわしづかみの状態で帰宅したのが正解だった。

とにかく父をホームに預けなければ、長時間の外出が出来ない。逆に母が長時間出かけても、父をひとりにすることができない状況がある。一ヶ月以上前にケアマネさんと相談する。しかしこの間も、父は紙パンツを誇りにかけて脱ぎ去り、ポータブルトイレ周辺で転倒し続けているのだ。紙パンツの適時交換(定時ではない)に任せてくれれば、事態はだいぶ軽くなる。叔父も曾祖母、祖父母も協力してくれた。元気な頃から家族の人格を傷つけ続けた横暴な父が、介護の場で家族を信用しないのは当然ではあるが、それでも介護放棄できない家族の矛盾がある。男はダメだと介護事業所職員は口をそろえる。このことがあってから、社会活動に出会う男性の品定めをついしてしまう眼差しは主婦ならぬ主夫のものである。

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湘南あすなろ会の方も、この間、ビッグイシュー誌の追加注文がEさんから入った。Tさんはマイペース。この立場の差からくる齟齬が生まれてきていた。フォーラム二日目、ビッグイシュー東京事務所の一行と会場を共にすることができたので、注文はスムーズに行った。問題はきちんと発送してくれるか、まだ安心は出来ないのだが。

夜間傾聴や、生業のほうも、実は嵐が近づいていた。このブログで公開している青年たちは、主に学習支援の比率が高く安定しているが、背後には不安定な青年が何名かいる。そこは非行系の問題が起きていたり、たまに自殺願望の青年が親を通じてアクセスしてくる。進学ということを全く無視しない点で私と何とかつながるのだが、この青年らを含んで、夜間、当人なり同僚を媒介にした相談が入る。

今回は向精神薬を飲まずに溜め込んでいた青年が、それを親に発見されて荒れていた。東京から私は茅ヶ崎に帰っており、自家用車を廃車しているので、緊急出動は極端に減った。同僚は妻子とご母堂を抱えており、よほどのことがない限り出動していない。だから彼の補助のような形で私は動いている。しかし駅の近くの住所の青年で、終電までに帰宅可能な数名の青年については、連絡が入ることがある。

実際、この青年は親御さんから緊急出動を要請されていた。しかし患者さんの会が介入していることがわかったので、任せることにした。こうしてフォーラム参加は中断しないで済んだ。

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これらのバックサポートがあって、無事参加することができたのは幸いだった。

今回参加したのは

初日(金)は、CSR実施企業とNPOの交流立食パーティーだった。私はまだ具体的な活動を立ち上げる状態にいない。だから企業への接点は持ちにくかったが、プロとして社会活動をしている企業との新たな交流は数件生まれそうだ。特に環境からのアプローチで、放置傘の再利用を行っている「社会起業プロジェクトチームSOL」さんとは、路上生活者の雨天時就労支援の傘路上販売の件で、今後話し合うことが決まった。SOLさんは、渋谷区の駅前店舗に再生放置傘を置き、店舗からの無料貸し出し「しぶがさ」活動をされていた。私たちにとっては、放置傘の安定確保と支援人材獲得の件を探っていた。偶然双方がであったのだった。ここには「舫(もやい)」さんにも、プロジェクト始動に向けて、三者で話すことができた。

空き缶集めで一日1,000円から1,500円の収入と炊き出しで命をつないでいる者が、雨によってその収入すら奪われる事態、ビッグイシュー誌販売も濡れてしまうために販売中断を余儀なくされる事態に出会う。ここを超えていく活動が放置傘再販だ。供給システムと支援体制の人材確保の準備が大変なので、どこの支援団体も余力なしと、応じていたものだった。ところが調べてみると大阪では既にやっているし、高校生が学校の援助で社会学習の販売店を行っている、その店にも放置傘は登場していた。つまり前例なしではないのだ。私はこれを単純に放置傘再販活動として推進していくのではなく、より高次の屋外就労ネットワーク(青空プロジェクト)のつながりの中に発想して行きたいと思っている。路上生活者も、障がい者、引きこもり青年などをつなぐ、就労・プレ就労の自由度を確保した就労ネット、屋外のソーシャル・ファームの重要な環として位置づけていきたいと思うのだ。そこからきっと支援体制も生まれてくると思うのだ。

社会的弱者の地域就労支援は。もうひとつの可能性を今回のフォーラムを通じて芽が生まれたように思う。その話は次回に。

夜間傾聴:□□君(仮名・2/7)
     ******君(仮名・2/8)
     小田急相模原君(仮名・2/7)


p.s. ワーカーズコレクティブ25周年の冊子購入済み。


(校正1回目済み)

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