日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

棚田守る労苦を学ぶ

2010年07月21日 | エッセイサロン
           

2010年07月21日 中国新聞「広場」掲載 

棚田の大敵は「モグラ」と聞いていた。モグラは地中にトンネルを掘り、ミミズや昆虫の幼虫などを食べる。このトンネルは、棚田の水抜けの原因となり、被害は稲作の命取りという。

 訪ねた農家で棚田を見下ろしながら、モグラのことを聞いた。「これがモグラ捕獲機」と納屋からブリキで作った円すい状の2本の筒を持ち出された。

 使い方は、細い方を向かい合わせモグラの通り道に埋める。この人工トンネルに入ったモグラは先細りで進めなくなる。入る側には逆支弁があり、1度入ったら絶対に後ろへはさがれない作りにしてある。

 毎日欠かせない田の水の見回り時に、モグラトンネルで隆起した場所を見つけ、そこへ仕掛ける。「仕掛ける向きと深さは経験」と見えないモグラとの攻防を教わった。

 狭い棚田でする作業のいろいろを聞きながら、伝来の棚田を守るには、ひとときの油断も許されないことを実感した。

 これまで棚田の美しさをただ称賛していたが、その裏にある労苦を少し知り、目の前の苗の緑が濃く見え始めた。

(写真:訪れた棚田、捕獲機は7月1日掲載)
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夏の土用

2010年07月20日 | 自然 季節
           

暦の上で立秋(8月7日)前の18日間を夏の土用というそうで、今日はその初日。土用といえば夏だけかと思いきや、春・秋・冬にもそれぞれ土用の期間があるそうで、これは初耳。土用といえば夏のものと思い込んでいた。

土用の食べ物といえば夏負けを防ぐために土用の丑の日に食べる「土用うなぎ」。スーパーでは予約受付の張り紙が並ぶ。国産の値段はおとなり産の倍以上する。その「味の見極め」はできなかった、先日ブログで読んだ。近所に老舗仕出し屋の特設店が今年もお目見えした。口にしていないので味は知らないが、値段からすれば美味さは間違いないだろう。

梅雨明け初めて、雲も霧もないすっきりと晴れた夜明け。こういう朝は実に気持ちよい。錦川沿いは小鳥の声に変わって蝉の声だけになった。蝉が多く鳴きたてるさま、時雨の音に例えて「蝉時雨」という(広辞苑)。城山から聞こえる声はそれをはるかに超えて「蝉の声の壁」が建っているようだ。

土用に入った日から3日目は「土用三郎」と呼び農作物の実りを占う日という。この日快晴なら豊年、降雨なら凶年ときめる。どんないわれからそうなったのだろう。今年も豪雨などにより各地で大きな被害が発生している。週間予報ではその日は豊年をあらわす晴れ、実りの秋になることを誰もが念じている。

(写真:庭から見上げた土用の入りの夏空)


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ひざ掛けの怪

2010年07月19日 | 生活・ニュース
           

本当の話です。

年明け早々パソコンが不調になった。電源が入らない、フリーズ、ネットの電波状態が急に低下するなど、素人にはどうしようもない現象が頻発する。パソコンや無線ランのON-OFFの繰り返し、万一を信じてキーボードやマウスの電池交換までした。

なだめぞすかせぞ、それは一時しのぎに過ぎない。パソコンに詳しい知人に相談するとすぐに往診。内診と若干の外科的処置で診察前よりは改善した。「各所に過労から来るかなりの疲労が起きている」という助言で再生処置もした。

しばらくよかったが、何度かに1回、電源の入りがまた思わしくなくなった。新型に切り替えるか、と思案をしていたある日「今夜は寒そうだ」と冬のあいだ使う「ひざ掛け」をパソコンに掛けて、やすんだ。

よく朝、電源の入りが、不調になる前のようにスッと入った。オッ、その微妙な変化に気づいた。聞こえる起動準備の音が軽快だ。その日から、パソコンを使い終わったらひざ掛けを必ず掛けて寝る事にした。それから数カ月、分身のような古いパソコンは快調に動いてくれている。

掛ける当人が「ひざ掛けの怪」と思いながら繰り返している。最近は感謝の気持ちもこめて掛ける。梅雨もあけ暑くなったがどうしよう、少し思案している。

(写真:ひざ掛けで見えないパソコンは熟睡中か)
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

突然の賞状

2010年07月18日 | エッセイサロン
           

毎日新聞社から封書が届いた。心当たりはないが、と思いながら開く。

はがき随筆月間賞〔佳作〕
毎日新聞6月16日付に掲載された あなたの作品「最期の朝」は読む人に深い感銘を与えました。互選のうえ6月度月間賞をお贈りします。  毎日新聞山口支局長

こうしたためられた「賞状」と図書カードが入っていた。

たまに掲載される「はがき随筆」、月間賞へ「もう一息、あと一歩」という評は何度か貰ったが、賞に入ったのは初めて。月間賞が発表された朝、代表のOさんから電話を貰いその事を知った。

所属するエッセイの会には県内では勿論、九州地区を含めてもトップクラスの同人が何人か在籍。これらの人の作品は掲載されれば月間賞になる。それらを読み高い目標に、とは思いばかりで、なかなか届かない。

賞状なんていつ以来だろうか。「しょうじょう」と入力し変換したら「症状」が先ず現れた。あたり、とひとり苦笑。これは随筆のネタにならないか、とメモする。佳作の上には「入選」がある。目標は高いほどいいというが。

(写真:いつ以来の賞状だろうか)
コメント (14)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明けた

2010年07月17日 | 生活・ニュース
                 

日本の広い範囲で梅雨が終わった、という発表。

その末期の豪雨は各地に甚大な被害をもたらした。復旧に携わる大勢の人には、雨に変わって暑さが襲っている。たまらないだろう。汗もぬぐわず復旧作業にいそしむ人の映像を見ながら、早い回復を願うばかりだ。

夏が来るまでにいろいろ済ませておこうとしていた家のこと、雨を理由にサボっていた。いくつか溜まったそのつけを梅雨明けの暑さと一緒に済ませることになった。朝から汗をぬぐいながら、水分補給にも気をつけながら済ませた。

日が落ちるころ、昼につるした風鈴が「チリン」と鳴った。涼やかな音色に思わず振り返る。久しぶりに受ける風を楽しんでいた。冷たいビールが美味かった。

(写真:初めての風を楽しむ風鈴)
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

遠雷と霧

2010年07月16日 | ウオーキング 散歩
           

数日振り、梅雨末期の雨に阻まれて休んでいた早朝ウオーキングに出かけた。今朝の舞台は遠雷と霧。

玄関を出るとすぐに稲光と遠雷の歓迎を受けた。強く、弱くとほとんど休むまもなく光る。早いときは稲光から数秒後、雷鳴にはかなりの威厳がある。弱い光のときはかなりの時間をが空く。弱々しい音、足音に消されそうだ。

ほかに歩く人はいない。稲妻の強弱は舞台の上で点滅するでスポットライトを浴びているような錯覚を覚える。雷鳴と蝉の鳴き声はそのBGMのようだ。

たっぷりと水分を含んだ大気は濃い霧を誘い出している。城山は麓から山頂まですっぽりと包まれている。遠くの山も霧に包まれ白い世界のようだ。

錦川からは川霧がまるで温泉の湯気のように立ち上り、流れていく。その威勢のよさは川面が何かにわくわくしているようだ。

う飼いのテント事務所はは片付けられ、う飼い船は濁流とその水位のおさまるのを待っている。再開はいつからだろう。大雨のとき鮎はどこで濁流をしのいでいるのだろう。

(写真:湯気のように立ち上る川霧)
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小康状態

2010年07月15日 | 生活・ニュース
           

4日続いた梅雨末期の大雨を受けて「よう降りました」、「格別はありませんでしたか」が朝から出会う人との挨拶。畑の野菜を心配する人もいたが被害を受けた人はいなかった。昼前、市内の避難所全てが閉鎖され、平常に復したようだ。

雨は明日の朝まで続くようだが、明後日からは35度近くの気温が続くでしょう、と予報士の予測。梅雨に終りがくる。今年の梅雨は豪雨だけが記憶に残りそうだ。

午後から少し明るくなった。夕方、帰宅したとき黒い雲の向こうに少し青空が見えた。まぶしかった。庭の花も濡れて重たくなったからだを少しばかり伸ばしているように見える。

これからは暑さに備える工夫を、少しばかりの青空がそういっている。

(写真:久しぶりに青空が見えた)
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

もうひと雨の予報

2010年07月14日 | 自然 季節
          

メールの「降った降った」という6文字で雨の様子も気持ちもみんな伝わる。市内の奥地は300ミリを越える雨量、知り合いの地区には避難勧告が出されたが、騒動にはならなかったようだ。

こんな日の錦帯橋を見に来る人も多い。駐車場は冠水で使用禁止。錦帯橋周辺は駐車禁止ながら、思い思いに停められた車、車。写真を撮るための人たちだ。大型カメラに三脚持参の人も多い。

錦帯橋の石の橋脚の高さは6.6メートルほど。濁って重たそうな水はそれに近い水かさで錦帯橋をくぐりぬけていく。

濁流に洗われる道路、それが流入した家の様子など映像で見ている。足下を流れるこの濁流がもしも流れを変えたらと想像すると、長く錦帯橋を見てはおれない。

ここから500メートル下流の水位観測地点では避難判断(特別警戒)の水位近くまで上昇、消防団は注意を呼びかけながら巡回している。

梅雨明けは週末でもう一度大雨があるという予報。通り過ぎるのを見守るしかないだろう。

(写真:ゆっくりと錦帯橋をくぐる濁流)
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

もう少し

2010年07月13日 | 生活・ニュース
           

降り始めて3日目。市内各地の雨量は200ミリを越えている。数年前の台風で濁流が流れ込んだ町付近の川の水位は避難判断の数値を超えている。錦川には本支流含めて幾つかダムがある。その最大のダムでは300立方メートル/s以上の放流が続いている。錦帯橋下流の水位測定地点でも警戒水位(氾濫注意水位)を超えた。こんな雨の影響を受けて、市内各地域に開設された避難所は、雨が小康状態になった夕方に閉鎖された。

大変な雨量を記録しているが、激しい雨足は断続的で、短いが傘をささなくてもすむ時間があるのがいい。今朝は子どもたちの登校時間が心もち遅かった。小降りになるのを待っていたのかも知れない。顔は傘に隠れて見なかったが、話し声はいつも通り聞こえる。

よく降るという会話に「この雨がなければ米の収穫が出来ない」と米農家の人の一括。その梅雨明けは今週末ころという予報。梅雨明けはよろこぶが間違いなく暑さがやってくる。世間様、全てがいいこと尽くめでないことは分かっている。

この雨量のあとでの日照が米作り農家の哀楽に連なる。どんな夏がやっれくるのか今から待ち遠しい。夜明け前に出た大雨洪水警報は今も続いている。

(写真:冠水した路地を進む車)
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

初めに返って

2010年07月12日 | 陶芸
           

「世界でひとつの作品作り」と誘われて通い始めた陶芸教室、自分流の作り方を探りながらもう2年半になる。毎回、500グラムの粘土と格闘している。上達すれば1キロいや1.5キロといった大量の粘土で大型の作品作りのメンバーいる。

最近、自分流の要領をつかみなおそうと改めて初歩に返りこねている。途中まで何とかなるかな、と思いながら進んできた形作りが、ちょっとしたことで「グシャッ」となることが続いた。なんとなく欲が先走りすぎている、と反省をする。

制作の途中で指導員は粘土に手をまぶしながら、制作のポイントとなる形作りのコツやアドバイスなどを実技を交えたて分かりやすく話す。若い指導員は息子ほどの年齢だが、みんな師の言葉のように聴いている。

高齢者が健康にぼけないで過ごすためには集える仲間が3つくらいは欲しい、という文章を先日読んだ。この陶芸教室もそのひとつだ。手を使うことはいろいろな面で有効という。粘土をこねるだけでなく、会話も楽しくこねていきたい。

(写真:小さな作品だが中央の指導員の説明を聞く顔は真剣)
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする