日々のことを徒然に

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消えた神社

2020年09月17日 | 地域

 田中明神では、古くから烏(からす)に供物をして吉凶を占う儀式が行われてきました。一般に「御鳥供飯(おとぐい)」と呼ばれている神事で、毎年、初亥(はつい)の朝、米の粉をつくねた団子を二つの土器にのせて社前の畑におくと、厳島から鳥が二羽やってきて、団子をくわえて再び厳島へ飛び帰ったといわれます。この神事は近年まで行われていました。

 この神社を知ったのは8年ほど前になる。ぶらっととなりの町を歩いているとき、幹線道路から十数㍍入った道沿いで見つけた。前段の話しはその神社の鳥居のそばに立っている説明版の「『御鳥供飯』」伝承の地」という説明の全文。境内にはその姿がそっくりな杉の木が2本、社の正面に並び厳かな神木の構えをしていた。

 それから1度か2度立ちよったが施錠されている社に変わりはなかった。境内の草も掃除されておりどなたかが見守っておられるものと思い、目礼して境内を後にした。先日、立ち寄ると社も神木も鳥居も、そして説明版もすっかり姿が消え、神社のあったことを知らなければただの広場に変わっていた。

 この神社が消えた由は知らない。先日、他県のニュースだが有名な神社で後継者が見つからないということで解体が決まり、地元では神社が存在したという石碑を建てるという。このように、世間では神社仏閣が年々減少、その姿を消していくことは常識のように語られる。高齢化、過疎化、人口減少、後継者不足、核家族化などその因子は示されるが対策は進まないようだ。 弔い方が多様化したこともあるだろう。
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