TPPへ参加の交渉が決定し大きな課題になっているのひとつに農業があげられている。農業団体は大きな打撃をうけ、日本農業の破壊にも連なるとして反対姿勢を貫いている。国はそうわさせない、きちんと対策を講ずると説得している。交渉の詳細な内容はわからないが、一つの産業、それも命につながる食料問題、きちんと対応されなければならない。
そんな大事な農業の真似事をした。耕運機で耕された畑にジャガイモと里芋を植える。呼びかけで集まった7、8人が経験者の指図のもと、畝を作り種芋を配り、土をかける。たったそれだけの作業だが、何十年ぶりかに手にしたひら鍬は思い通りに使えず、昔取った何とかは錆びていた。
収穫量の見通しはイノシシさんの訪問の有無にかかっているとか。畑の周囲にはスチール製の防獣ネットをめぐらしているが、経験者の話だとネットの下を掘り起し掻い潜って侵入するそうだ。その対策が収穫量を左右するということで、次回の作業でもう一段の防御策を施すことになった。国道沿いの畑でこれだから、中山間地域の皆さんの防獣へのご苦労は並大抵でなことを思う。
九州では超早場米の植え付けが始まった。「農業に休む間はない」と菜園作り趣味の知人は話す。「照りすぎて困り、雨が降りすぎて困り、天のくれる試練は厳しい」とも言う。レジャー気分、それも短時間の農業体験ではあったが、春らしい陽気に上着を脱いでの力仕事は楽しかった。あすの朝、筋肉痛のないことを願っている。