昨年の3月末、吉香公園で「桜は咲いていないか」と探しながら歩いていた。公園を清掃している人が不審な私の様子に気づかれたのか、「桜かいのー、そこのところに今朝がた咲いた一番咲きがあるでよ」とその木の場所を教えられた。
教えられた木に数輪咲いていた。開花標準木なら宣言が出されるのだが残念、それは大勢の中の1本で世に知らしめることはかなわなかった。昨年の1番咲きの木はどんな様子かまわり道をした。掘りにせり出した枝には、このところの暖かが続けばすぐにでも咲きそうな姿になっている。
昨年の1番咲きだけあってか、周囲の木々の花芽の様子より一歩先んじている感じはする。ということは今年も1番咲きを演じることができるのだろうか。写真を撮っていたら、そんなことを知る由もないお堀の鯉がこの幹の下に集まって来た。広島カープの幸先を占なうよかのような見せ場を作ってくれた。
錦帯橋上流の広場には季節限定の茶店が建った。その場所はシートを敷き錦帯橋を眺めながら弁当を開くには最高の場所だとは思うが、長く茶店の定位置になっている。愚痴はおいて、昨年、日本で長寿2位と判明したソメイヨシノが吉香公園にある。どんな桜が花開くのか楽しみだ。ホーホケキョケキョの鳴き声、遠くまでとどき春を呼びよせている。