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「広辞苑」刊行の日

2012年05月25日 | 生活・ニュース
           

 誰もが知っている、そしてお世話になった「広辞苑」(岩波書店)、その初版が発行されたのが1955(昭和30)年の今日5月25日。国語学者・新村出博士が、戦前に自身が編さんした「辞苑」発行から20年、紆余曲折ありながら広辞苑となった。広辞苑は「辞苑」を基に、言葉の新しい用法を追記し、百科事典の要素も加えられた。

 手元のそれは「新村 出編 広辞苑第二版補訂版」で1976(昭和51)年12月1日発行の第1版。定価4600円で2448頁、厚さは約8.5センチ、重さはケース込みで約2.6キロ。これを購入したときの高揚感というか満足感は忘れていない。なじみの書店の奥さんが「良かったですね」と声をかけてくれたことを思い出す。いつも欲しそうな顔で眺めていたのかも知れない。ちなみに電子辞書は広辞苑第五版で逆引き広辞苑が付いている。電子辞書は持ち運びも自由で重宝している。

 辞書編纂を担当する辞書編集部員を主人公にした小説「舟を編む」(三浦しをん作 光文社)が話題を呼んでいる。この本は2012年本屋大賞第一位に選ばれた。これは全国の書店員さんが選んだ本で、読後感から店員さんたちのそのほれ込みようは大変なものだ。ここではストーリには触れないが、辞書編纂には終わりがないことを知った。

 今はPCで調べれば分厚く重い辞書を開き、小さな文字を探して引かなくても簡単に語意やその用法を知ることができ便利になった。電子辞書も然りだ。それでも新版が出ると売れるという。これまで10年から7年くらいの間隔で発行されて最新刊は2008年の第6版で、その発行部数は22万冊以上という。舟を編むからすればそう遠くない時期に第7版となるのだろうか。

 大小に関係なく辞書の何冊かはみんな持っている。そのなかに国語に関するものは1冊はあるだろう。それほど使わなくても傍にあるとなんとなく安心を誘う、それが辞書のすごい力と思う。大辞書を使うことはなくなった。が、色変わりした広辞苑は本棚で存在感を感じさせる。 

 
コメント (4)
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