日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

早く走れる方法

2012年03月19日 | 回想
           

運動会で早く走れる靴、子どもなら誰でも欲しいだろう、そう思ったら少し意見をされた。その靴はトラックを左回りする時に有効な靴だから、直線を少しだけ走る低学年には不要だ、という。徒競争は大の苦手だった。徒競争の前になると裕福な家の級友が持ってくるサロメチールをふくらはぎに塗った。スーッとするいい感じになる。それで足が軽くなったように思うが結果は変わらなかった。

もうひとつの早く走れる秘策、それは「馬糞を人に見られずに踏め」という話。馬糞といっても見たこともない人もあろう。今の荷運びは目的と場所に似合った大小いろいろな車がある。子どものころのそれは車の変わりに、馬が長い荷台の車を引いて運んだ。その荷車を馬車と呼んだ。カッポカッポという馬の足音はのどかだった。もちろん馬は農作業でも活躍した。

馬は尾っぽをひょいと上げところかまわず糞をする。その量は少々ではない。こんもりと盛り上がったそれはあちこちで見かけた。いまならご近所迷惑や道を汚したと社会問題になるだろう。馬は走るのが早い、その糞を踏むと早く走れるという子どもならではの情報は広まっていた。地方ならではの面白さを感じる。一方、農家ではその糞が大切な肥しにもなった。

吉香公園のバラ園。ボランティアの人らが1年中手入れされ、その季節には見事な花を咲かせ、訪れる人を楽しませている。いま、春の開花に向けて手入をされている。剪定されたバラの根っこに茶色のふわっとしたもが撒かれている。それが馬糞でバラの養分に変わっていく。今の世、あれだけの量をどこから調達されたのだろう。そんなことを思いながら、馬車に乗せてもらって下校したころのあれこれを思い出す。
コメント (4)
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