弥生3月、この言葉を聞くと急に春、暖かさがやって来たような気になる。しかし、一気にはいかない、少しずつ春の音や匂いは近づいてくるだろう。
今日は高校の卒業式。自分のそれは50年以上も前になる。どんな卒業式から社会に巣立っていったのだろう。思い返してみるが、その頃と今を比べるにはあまりにも世のすべてが変わりすぎてその気になれない。ちょっぴり寂しい気もする。
ひとつだけ、その昔が今より良かったことがある。産官学がひとつになり右上がりの経済成長の始まりのころだった。ここ数年、にわかににぎわせている「就活」などは考えることもなかった。採用する側が学校を訪問しなければ、それも繰り返し繰り返ししなければ必要採用数の確保が出来なかった。
今春の卒業生の就職状況は依然として厳しい、と報道されている。行きさきの決まらないままの卒業は厳しい門出となる。しかし君たちは若い。苦しいだろうが今を投げ出さず希望を見つけて欲しい。剪定されたバラの芽吹き始めた小さな赤い葉を眺めながら、そんなことを思った。