使徒の働き 12章1−17節
木立の中に涼しげな雪原が…、というような風景。何だと思われますか? 北海道にも見られる景色だそうですが、これはポプラの綿毛。暑い日が続くので、こんな景色を見るとちょっと気持ちが涼しくなります。でも、始末に困っている人もいるようですね。
聖書には、ヘロデと名のつく人物が複数出てきます。十二使徒の一人ヤコブを殺したヘロデは、イエスが誕生した時にベツレヘムとその近くにいる二歳以下の男の子を殺したヘロデ大王の孫で、ヘロデ・アグリッパⅠ世のことです。ローマ皇帝の権威の元で領主としての立場を得ている彼は、任されている領地の人々の機嫌を取るようなこともしなければなりませんでした。
そこで彼が標的にしたのが、イエスの弟子たち。まずヤコブを殺します。それが人々に喜ばれたのに味を占め、ペテロを捕えます。これは、エルサレムの教会にとって大きな危機でした。要となるような指導者が一人は殺され、一人は捕えられたのですから…。
牢に閉じこめられたペテロのために、教会がしたのは祈ること。祈りは応えられて、不思議な方法でペテロは牢外へ…。この箇所には、実際に起こっていることを現実とは受け止められない人の姿があります。
一人はペテロ。牢から外に出ながら、彼は自分の身に起こっていることが「現実とは思えず、幻を見ているのだと思って」いたのです。
もう一つの人々は、ペテロのために祈っていた人々。ペテロが門の前に立っていると、ロデという召使いの女が知らせても、ペテロ救出のために祈っていた人々は、そのニュースが現実とは思えないのです。
信じて祈っているのに、いざその祈りが神によって応えられたときになかなか信じられない、これを愚かと笑うことはできない、自分もその一人なのだから…、と認めざるをえません。