使徒の働き 8章1−13節
きょうからまた、使徒の働きを読み進めます。ホッとしている方もおられるかもしれませんね。
前回は、ステパノの殉教まで読みました。ステパノの殉教がもとで起こった教会への激しい迫害。イエスをメシアと信じる人々の息の根を止めてやるとの勢いだったことでしょうが、それがかえって、福音が世界に拡がる大きな転機になったというのです。エルサレムから散らされた人々は、意気消沈して堅く口を閉ざしたのではありません。驚くのは、彼らが「みことばをの福音を伝えながら巡り歩いた」という4節のことば。
迫害されても心が萎まないのは、彼らが福音を信じて得た新しいいのち、新しい生活、そして神との生き生きとした結びつきがあり、喜びで満たされていたからです。まるで種が弾け飛んで次々と芽を出していくように、神のことばは各地に伝えられていきました。そして、サマリアの宣教者となったピリポが紹介されています。さらに、サマリアで魔術をして人々を驚かせていたシモンという男も福音を信じて、バプテスマを受けたとあります。
3節にサウロが出てきます。使徒の働き前半の大きな山場はこのサウロ(パウロ)の回心ですが、この書の著者ルカは、7章からすでにサウロを登場させています。ここではサウロが、熱心な迫害者の一人だったとして紹介されます。
宣教の働きに限らず、自分が綿密に立てた計画どおりに物事が進むことを望むのが私たち。そうでなければ慌てたり、がっかりしたりすることも少なくありません。ここを読むと、そうではないのだとして励まされるのです。