みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

民の前に出入りするために

2021年06月23日 | 歴代誌第二

歴代誌第二 1章

 いよいよパウロとバルナバの一度目の伝道旅行だ! と「みことばの光」を開いてみたら、きょうからは歴代誌の後半。書かれている出来事は、一気に紀元前900年代の前半、ソロモン時代へと飛んでいきます。誌上タイムトラベルをしているかのようですね。

 ここからしばらくは、ダビデの後継者ソロモン王について読みます。はじめはソロモンの王としての基盤です。ソロモンが父ダビデから王位を継いだということは、ダビデの信仰も受け継いだということです。それはソロモンが、ギブオンに置かれていた幕屋の前で主を礼拝したことに現れています。

 主はソロモンの礼拝を受け入れ、願う与えると言われます。それに答えてソロモンが願ったのが「知恵と知識」だったというのは良く知られたことです。目に留めたのは、彼が「知恵と知識」を求めた理由です。ソロモンは「そうすれば、私はこの民の前に出入りいたします」と言っているのです。

 「民の前に出入りする」とは、すぐ後のことばから分かるように、民を正しくさばくということであり、それは王の大切な務めでした。しかも彼は、「この大いなるあなたの民」と呼びます。主なる神がお選びになったゆえにイスラエルは「大いなるあなたの民」なのです。それを正しくさばくために神が自分に知恵と知識を授けてくださらなければできないと、ソロモンは知ったのです。

 ですからこの知恵・知識は、頭が良いとか賢いということもあるかもしれませんが、それ以前に主への信仰とのつながりが肝心要(かんじんかなめ)なのです。これを主に求めているだろうか…と問われます。

 ソロモン作の箴言には、「主を恐れることは知識のはじめ」、「主を恐れることは知恵のはじめ」とあります。主への恐れをどこかに追い遣ってしまうならば、たちまち人は愚かなものとなるのです。


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