みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

土の器が土の器に

2011年11月16日 | ヨブ記
ヨブ記33章1-11節


 昨日の午後は、晩秋の風景をドライブで楽しむことができました。「秋の日は釣瓶(つるべ)落とし」と言われるように、この時期は4時を過ぎると薄暗くなります。しかし、見上げれば秋晴れの空には陽に照された白く大きな雲が…。昼と夜との境目を感じました。

 いよいよエリフの語りかけが始まります。
 エリフは、自分とヨブとの間には通じることがあると述べています。「みことばの光」も触れていますが、「神にとって、私はあなたと同様だ。私もまた粘土で造られた」との一言は、どれほどヨブにエリフのことばに耳を傾けようとの備えをさせたことでしょうか。
 
 子どもの頃、何度も読み聞かされた「北風と太陽」というお話。「北風」と「太陽」が力比べをします。どちらが旅人の上着を脱がせることができるかということになり、「北風」は力づくで脱がせようとしますが旅人は帰って上着をしっかりを身にまといます。ところが、「太陽」が暖かな陽射しを旅人に注いだので、旅人は上着を脱いだ…という内容ですね。

 エリフの話は、ヨブの心をグサッとえぐっていきますので、「太陽」のようではありませんが、けんか腰で力づくでも承服してやろうとする態度でないことは明らかです。7節の「見よ。私の脅しも、あなたをおびえさせない。私が強く圧しても、あなたには重くない」私のことばがあなたには脅しのように聞こえるかもしれないけれども、単なる人間の口から出るのだから、それにおびえることはないと、予めの配慮も忘れません。

 悩みの中にある人にことばをかけるのは、ほんとうに難しいと思います。「ああ言おうか」「これを言ったらいっそう悩ませるかしら」などと、逡巡することも度々である私にとって、エリフのヨブへの態度は大切なことに気づかせてくれます。





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