みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

第四の男

2011年11月15日 | ヨブ記
ヨブ記32章


 「みことばの光」による聖書通読は、ヨブ記に戻ってきました。きょうから12月1日まで、ヨブ記の終章までを読んでいきます。
 ヨブと三人との対話は行き詰まってしまいました。いや、正確に言うならば、三人がまったく行き詰まってしまい、ヨブに対して語ることばを持たなくなっていたのです。
 
 そのとき、口を開いたのがエリフです。
 エリフは「日を重ねた者が語り、年の多い者が知恵を教える」との先人からの知恵を重んじて「脇に控えて、遠慮し」ていたと語ります。しかし、ヨブと三人のやりとりを見て、どうにも抑えられなくなって語り出したということのようです。

 私は、エリフが最初からヨブと三人の対話に割って入っていたのならば、事は一層複雑になったことだろうと想像してしまいました。「黙っているのに時があり、話をするのに時がある」という伝道者の書の一節を思いました。
 そのように考えると、何と自分は余計なことをポンポンと話してしまうのかと、反省。

 もう一つ思うのは、エリフの話は神がヨブにお語りになるために、ヨブの心を整えさせたのではないだろうか、ということです。「ヨブ記32-37章を読む前に」にもありますように、エリフの話でヨブが納得したとは思えません。けれども、三人が話した時にはその都度激しく反論していたヨブが、エリフに対しては一度も反論しないで耳を傾けていたことから、エリフが話す内容はヨブの心に届いたのではないでしょう。

 ともあれ、しばらくはこの「第四の男」のことばに、ヨブとともに耳を傾けることにしましょう。





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