みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

絶対にそんなことはありません

2011年11月01日 | ローマ人への手紙
ローマ人への手紙3章1-8節


 「絶対に…!」ということばは、政治家ばかりでなく子どもたちの間でもけっこう交わされています。子どもたちの間で、相手に約束を守らせたり誓わせたりする場合に、「ぜってぇーだな!」と念押しをしている様子を見ることがあります。

 けれども、「絶対に…!」ということばが文字通り絶対だとは多くの方は信じていないのではないだろうか、と思います。決意の表われとしては受け取りますが、どこかで「絶対に…、と人間には守ることはできない」と考えているのです。
 何度「裏切る絶対」の約束手形を発行したことか。

 パウロはこの箇所で、「絶対にそんなことはありません」と二度繰り返しています。ついでに調べてみましたら、パウロはローマ人への手紙で10回も「絶対にそんなことはありません」ということばを用いているのです。
 (律法を神からいただきながら違反しているという)ユダヤ人の不真実によって、彼らをご自分の民としてお選びになった神の真実が揺るがされるのだろうか、絶対にそんなことはないとパウロが断言しているのです。

 それにしても、「たとい、すべての人を偽り者としても、神は真実な方であるとすべきです」とは、迫力のあることばですね。「みことばの光」の「祈ろう」には、「…『神は真実な方であるとすべきです』について、宗教改革者ルターは、『このことばは祈りだ』といっている。…」とあります。

 不真実な約束、言動、そして振る舞いが日常の中で、「神は真実な方であるとすべきです」と信仰を持って祈り続けることができる、信仰者の幸せを改めて噛みしめることができます。
 (だからといって、私たちが不真実でもいいのだということでは「絶対に」ありません)



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