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久保ミツロウ『モテキ』を読んでみる

2011年10月08日 18時42分16秒 | 漫画


結構前にテレビでこのマンガのドラマを一度だけ見て少し気になったのだが、今回映画が公開されるということで、久保ミツロウの『モテキ』を読んでみた。
突然モテ期がやってきていろいろな女の子に主人公がモテモテになるという話なのかと思っていたら、そうでもなくて、うじうじした男の子の話だった。こういうのを読むと、もう結婚して恋愛なんかしなくていいのは楽だなと思う。
小野坂オム先生という漫画家が登場するのだが、この漫画家が出てきてからおもしろくなった。そしてこの漫画家が登場しなくなっておもしろくなくなった。
作者は久保ミツロウという男性のような名前だけれど女性で、確かに男だったらこうは描かないだろうなということが多かった。高校生のころに男友達が誰と付き合ったとかそういうことを30歳になるまで引きずっているということは考えにくいなあ。主人公が途中で太るということも主人公に自分をどうしても重ねてしまうだろう男性作家では難しいかなと思う。
これまで読んだ漫画で似ていると言えば『ハチミツとクローバー』に全体の印象は似ている。
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『プリンセス・トヨトミ』読書中

2011年10月05日 22時28分31秒 | 文学
万城目学『プリンセス・トヨトミ』(文春文庫)を読んでいる。224頁。
おもしろくないこともないけれど。という感じ。
たまに違和感のある言葉遣いがあり、気になる。「……なれど、」とか。
主人公の男の子が、大阪を継承して男として生きていくのか、自分の気持ちを通して女の子として生きていくのか、というところにいまいちばん注目している。でもタイトルがプリンセスだから女の子として大阪を継承する話なのだろうか。
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吉村昭『戦艦武蔵ノート』感想

2011年10月03日 19時49分24秒 | 文学
吉村昭の『戦艦武蔵ノート』(岩波現代文庫)を読んだ。
吉村昭が『戦艦武蔵』を執筆している時の様子がよくわかる。
『私の文学漂流』もおもしろかったので、吉村昭はエッセイ風のもののほうがおもしろいんじゃないかと思う。
女はこういうもんだ、男はこういうもんだ、みたいな、いまではあまりひとが言うのをはばかるような意見もありおもしろい。
『戦艦武蔵』でもっとも印象に残る図面紛失事件の、当事者のその後がわかるのもよかった。
その他、「武蔵」は沈んだ場所に存在せず、空気が抜けないまま海中を流れ続けているのではないか、という発想はおもしろいと思った。

次は吉村昭のものか、大岡昇平の『俘虜記』でも読むか、迷う。
でも戦争物も少し疲れたのでその前に、買ったままで読んでいない万城目学の『プリンセス・トヨトミ』を読もうと思う。
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吉村昭『戦艦武蔵』感想

2011年10月02日 12時16分30秒 | 文学
吉村昭『戦艦武蔵』(新潮文庫)読了。
「武蔵」を隠すために棕櫚の木を大量に使ったことと、図面がなくなってたいへんなことになったこと(ほんとうに大変なことになった。特高の刑事は怖い)が印象に残った。
ものすごく苦労して作った「武蔵」だが、燃料がなくてあまり動けず、そのあと攻撃されて沈没してしまう。
戦艦が出来上がってからの話は、僕には難しい話だった。いろいろな人が登場し、誰が誰だかよくわからなくなってしまう。司馬遼太郎の小説でもそうだが、船の戦闘シーンになると読むのがつらくなってしまう。

艤装(ぎそう)という言葉が何度も登場し、知らなかったのだが、船を作ったあとに海に浮かべて(進水)、船の内部の工事をすることを「艤装」と言うらしい。

いまは吉村昭の『戦艦武蔵ノート』を読んでいる。
こちらのほうがおもしろい、かもしれない。
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永六輔の夏

2011年10月01日 00時37分08秒 | テレビ
NHKの番組「永六輔 戦いの夏」という番組を見た。
とてもおもしろい番組だった。
永六輔がパーキンソン病でかなりしゃべれなくなっていたことを知った。最近はだいぶ回復してきている。
宮本常一が彼の恩師であることを初めて知った。永六輔が旅が好きなことは知っていたが、それは宮本常一の影響なのだろうか。世の中には知らないことがまだまだ多い。
やはりきちんと考えて、それをことばにして生きてきた人というのはいい、と思った。
奥さんが死んだあとにも彼女に宛てて葉書を書いているという話は知っていたがいまだに続けているのだなと感心した。
そういえばこの間読んだ城山三郎の『落日燃ゆ』で、広田弘毅が死んだ奥さん(シヅコドノ)に宛てて手紙を書き続けていたことを知ったが、そのとき永六輔のことは思い出さなかった。そうか、死んだ妻に手紙を書き続ける人ってわりといるのだな。
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