NHKの「旅のチカラ」の柳楽優弥の回を見ていて、若いうちに脚光を浴びるとそのあとたいへんだなと思った。
吉本隆明がどこかで、男の子は観念で頭の中をいっぱいにしているものだ、という意味のことを書いていたけれど、20歳くらいの男の子というのは確かにいろいろなところから観念を拾っては背中に背負ったかごに放り込んで(重いのに)大切に持っているような印象が、自分のことを思い返してもある。役者の世界は、周りの人間も「役者っていうのは」と語りがちなのだろうから子供のころからその世界にいると自分のなかに役者像ができてしまってそこから離れられなくなるということはあるだろうなと、そのようなことを思いながらテレビを見ていた。
柳楽優弥に演技指導をするアメリカ人の先生の言葉がすばらしいと思った。
――俳優には二つの責務がある。ひとつは心の痛みを感じること。もうひとつは痛みを見せることだ。
――自分の痛みをさらけだす勇気のあるものを役者というんだよ。
――優弥はとてもいい直感を持ってるよ。あとはそれに従う勇気があればいいんだ。
このようなことを言えるアメリカの演技論にとても興味を持った。
「優弥がんばれ!」という気持ちにものすごくなる、よい番組だった。
吉本隆明がどこかで、男の子は観念で頭の中をいっぱいにしているものだ、という意味のことを書いていたけれど、20歳くらいの男の子というのは確かにいろいろなところから観念を拾っては背中に背負ったかごに放り込んで(重いのに)大切に持っているような印象が、自分のことを思い返してもある。役者の世界は、周りの人間も「役者っていうのは」と語りがちなのだろうから子供のころからその世界にいると自分のなかに役者像ができてしまってそこから離れられなくなるということはあるだろうなと、そのようなことを思いながらテレビを見ていた。
柳楽優弥に演技指導をするアメリカ人の先生の言葉がすばらしいと思った。
――俳優には二つの責務がある。ひとつは心の痛みを感じること。もうひとつは痛みを見せることだ。
――自分の痛みをさらけだす勇気のあるものを役者というんだよ。
――優弥はとてもいい直感を持ってるよ。あとはそれに従う勇気があればいいんだ。
このようなことを言えるアメリカの演技論にとても興味を持った。
「優弥がんばれ!」という気持ちにものすごくなる、よい番組だった。