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綿野恵太『「逆張り」の研究』

2023年11月23日 00時20分34秒 | 文学
綿野恵太『「逆張り」の研究』(筑摩書房)を図書館で借りて読んだ。前半おもしろい。
時々疑問に思っているが自分ではうまくすくえない感情をきちんと取り出している。

第2章。アントニオ・ネグリの講演会の隣の夫婦の「愛が大事」は、その空気感はわかった。
アントニオ・ネグリの『〈帝国〉』はたしかに書店で見かけたり、内田樹がなにか言ったりしているのを読んだ記憶があるが、自分では読まなかったな。なので、雰囲気はわかる気がするが、しっかりわからない。

第3章。ツイッターの政治的な対立はたしかによく見る風景。
政権に批判的な人が選挙前に、投票率が上がると与党が敗北すると思い選挙に行くことを呼びかけるが、結果は変わらずというのは最近よく見る。(言っておくと私もそういうのを読んで与党の敗北を期待する一人。)
ツイッターでは自分の同類の話しか聞かないから大勢いると思ってしまう。
また内田樹の話になるが、内田樹はツイッターを始めてから詰まらなくなった気がする。これは政治的な話をしすぎるようになったからじゃないかと思う。ブログだけやってたときはそんなふうじゃなかった。もっといい意味で高踏的だった、と懐かしい。
いまでもファンではあるが昔のほうがよかった。「ファンですが」は有名人を罵倒する前置きみたいになってしまったが、私の「ファンですが」はほんとうです。
内田樹の類友である小田嶋隆と綿野恵太がツイッターでトラブルになったことがあるとは知らなかった。
岸田政権はまだ存命中なので「旧統一教会と国葬」問題は乗り切った。「温泉のおじいさんの法則」は外れた。

第4章くらいからだと思うが、だんだんと著者自身の話が多くなってきた気がする。
それで詰まらないというわけではないが、ちょっと心配、というかなんと表現すればいいのかわからないが、まあちょっと若い人に頑張ってほしいというような気持ちになる。もっとがんばれ、という意味ではなく、そんなにがんばらなくてもいいからね、に近いお見舞いに行ったときに発する「頑張ってね」。生きているといろいろと大変なことがあると思いますが。

この人の本を読むのは二冊目。
期待しているがものすごくおもしろい、という感じまでではない。もっと今の時代から離れたことを題材にしたほうが「逆に」いいのかもしれない。司馬遼太郎とか研究したらどうでしょうか、と思いつきを言っておく。
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