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☆大江健三郎「臈たしアナベル・リイ総毛立ちつ身まかりつ」感想

2009年11月13日 23時42分23秒 | 文学
臈たしアナベル・リイ総毛立ちつ身まかりつ大江健三郎「臈たしアナベル・リイ総毛立ちつ身まかりつ」(新潮社)を読了。購入はせず、図書館で借りて読んだ。
もう少し面白いかと期待したんだけれど。
四国の森の一揆の話に興味が持てない。しかもその話の映画化なんてあるはずがないと思ってしまうので、さらに興味が持てなかった。
マルカム・ラウリーが小説で映画を作った、というような話をこの小説のなかに書いていたけれど、そういうことがしたかったんだろうな、とは思った。
しかしもっと面白そうな映画を作ればいいのに! というのが素直な感想だった。
明治維新の前後に二回起こった一揆の話。一回目の一揆で死んだ「メイスケさん」が「メイスケ母」によってもう一度産んでもらい二回目の一揆も指導する、という話のようなのだけれど(私に理解できた範囲の要約です。きちんと理解できていないかもしれない。)、そんなのを映画にして誰が見るんだろうか、という思いがずっとあった。そこにリアリティーを感じられなかった。

それと詩の引用が出てくるのだけれど、文語で書かれた日夏耿之介の訳詩の意味が理解できなかった。単純に、理解できませんでした。
「源氏物語」の現代語訳を読んでいてもっとも感動的であるといわれる和歌の部分がそのままであったり、太宰治の「右大臣実朝」の古文の部分が理解できなかったり、そういう疎外された感じだった。
私のために書かれた本ではないな、と感じた。

大江健三郎の本を読んだこともない人が立ち寄った本屋でタイトルと表紙の感じだけで購入して読めるようなものじゃない。
ちょっと、続けて大江健三郎を読んでみようかな、という気分になっていたのにそういう気分を見事に挫かれました。そうだ、大江健三郎って面倒くさいんだよなあ。

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