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井上靖『星と祭』

2021年04月21日 11時15分07秒 | 文学
井上靖『星と祭』(新潮社『井上靖全集 第二十巻』所収)を読んだ。
先妻との間に生まれた娘が琵琶湖で死んで、そのとき一緒に死んだ男の父親とともに琵琶湖の周りの十一面観音を巡り、ヒマラヤで満月を見て、また十一面観音を巡るという、ただただそれだけの話だったが、なかなかおもしろかった。タクシーに乗ってお寺に行って十一面観音を見せてもらうというだけのことが何度も描かれる。これだけのことを退屈せずに読ませるのはやはりすごいことだろう。ヒマラヤの話は少し退屈だった。ヒマラヤに行く必要は無いのではないかと思ったが、井上靖が当時ヒマラヤに行ったので行くことになったのだろう。
金と暇のある人が話をして旅行をするというところで少し小津安二郎の映画を思い出した。
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