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井上靖『孔子』

2021年03月29日 00時45分28秒 | 文学
井上靖『孔子』(新潮文庫)を読んだ。
単行本の刊行時期から考えると、ベストセラーとなっていたこの本を中学の最後か高校の初めの頃に私は読んでとても感動したことを覚えている。おそらく学校の図書室で借りて読んだのだろう。
いま読むと、十五歳くらいの男子が何を思って感動したのかまったくわからない。
語り手によって同じ話が繰り返されたり、そんなに感動するようなこともいま読むとあまりないのだが、当時は雰囲気にやられたのだろう。箱入りの本を読むのも初めてだったし。
「巧言令色鮮し仁」という言葉がひどく気に入ったのを覚えている。
孔子が十五で学に志して七十で矩を踰えず、という話はぜんぶひとつながりの発言で、私の人生はこのようでしたと一息に語ったように思っていたがこの小説を読むといろいろな言葉をつなぎ合わせて一つの言葉としているというように読めた。本当かどうかはわからない。それを熱心に調べる気もいまはない。
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