幸田文『台所のおと』(講談社文庫)を読んだ。
『台所のおと』を読みたいと思ったのは確か高橋源一郎の何かの本を読んだときで、もうずいぶん昔たぶん、二十代の頃じゃないかと思う。
他の幸田文の本はいくつか読んでいるのだけれど、なかなか読まなかった。
女性の書いた台所の話ということで吉本ばななの『キッチン』みたいなものを想像していた。台所とかお料理とかそういうものをテーマにした小説、特に女性の書いたものに惹かれる。男性の書いたものも、村上春樹の小説の料理のシーンとか、是枝裕和の映画も好きなので、好きなのかもしれないが、男性の書いた台所を中心とした小説というのがあまり思い浮かばない。女性の書いたものも実は『キッチン』以外には思い浮かんでいない。ただ、料理研究家(女性)の本を読むことが多いので女性は台所のことをよく書くという印象がある。
と、いろいろ書いてみたが、幸田文の『台所のおと』は予想とは違う小説だった。
なにか切実な感じが出ていて素晴らしい短編集だとは思うが、また読み返したいというほど好きではなかった。
『台所のおと』を読みたいと思ったのは確か高橋源一郎の何かの本を読んだときで、もうずいぶん昔たぶん、二十代の頃じゃないかと思う。
他の幸田文の本はいくつか読んでいるのだけれど、なかなか読まなかった。
女性の書いた台所の話ということで吉本ばななの『キッチン』みたいなものを想像していた。台所とかお料理とかそういうものをテーマにした小説、特に女性の書いたものに惹かれる。男性の書いたものも、村上春樹の小説の料理のシーンとか、是枝裕和の映画も好きなので、好きなのかもしれないが、男性の書いた台所を中心とした小説というのがあまり思い浮かばない。女性の書いたものも実は『キッチン』以外には思い浮かんでいない。ただ、料理研究家(女性)の本を読むことが多いので女性は台所のことをよく書くという印象がある。
と、いろいろ書いてみたが、幸田文の『台所のおと』は予想とは違う小説だった。
なにか切実な感じが出ていて素晴らしい短編集だとは思うが、また読み返したいというほど好きではなかった。