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『塩狩峠』の半分くらい

2017年05月08日 22時43分39秒 | 文学
三浦綾子の『塩狩峠』を読んでいる。
最初のほうの、主人公のお祖母さんの死んでしまうあたりで笑ってしまった。そんなメロドラマのような死にかたってあるか、と思った。
読んでいると、小学校の国語の教科書を読んでいるような気になる。小説というのは本来このようなものであるのかもしれない。
昔読んだ山本有三の『路傍の石』とか、山本周五郎の小説とかを思い出す。
熱を出して母親に看病してもらうところで、志賀直哉の『暗夜行路』を思い出した。
読みやすく、謎のようなものは一切ない。すべて書いてあることを読めば、作者の言いたいことがわかるようにできている。
こういうものを馬鹿にして生きてきたが、一度こういうものをきちんと読んでおくべきかもしれない。なので、三浦綾子を馬鹿にしないで読んでいこうと思っている。
どうして作者の言いたいことがはっきりとわかるような書き方が低俗で、最後まで読んでも明確にわからないものが高尚であるのか、そこのところをきっちり見極めたい。
三浦綾子はなかなか興味深いものをたくさん書いているのでできるだけ読むこととする。私の興味と我慢(?)の続く限り。
『銃口』と『母』と『氷点』と『続氷点』くらいまでは読みたい。
三浦綾子について、小林秀雄も吉本隆明も加藤典洋も何も語っていないようで残念だ。江藤淳は『氷点』を新聞の文芸時評欄で取り上げたようで読んでみたい。

それから、宮沢賢治の『注文の多い料理店』も読んでいる。
三浦綾子といい、宮沢賢治といい、いま私は「何かを信じているひと」に惹かれるのだろう。
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