ダブログ宣言!

ひとりでするのがブログなら、
ふたりでするのがダブログ。

シャーロット・ブロンテ『ジェイン・エア』読了

2014年04月24日 23時56分08秒 | 文学
シャーロット・ブロンテ『ジェイン・エア(下)』(岩波文庫)を読んだ。
とてもおもしろかった。
物語の最初のころにヘレン・バーンズという、ローウッド養育院でジェイン・エアと友だちになる少女がいるのだが、彼女が先生にひどい仕打ちを受けている。
キリスト教の理屈がひとを傷つけることを描くのだが、最後のほうにもジェインのいとこのセント・ジョンがジェインにキリスト教的な無茶な論理で結婚を強いるところがあり、読んでいると胸が苦しくなった。
たぶん、こういう人の前で何も言えなくなった経験はよくあり(キリスト教で攻めてくる人はいないが、正義っぽい理屈で攻めてくる人はたくさんいる)、それが胸を苦しくさせて、ジェイン負けるな、と思わせるのだろう。非常に執拗に描かれ、もう金持ちになったんだから早くロチェスターと結婚させてやれよ、と思わせる、心に残る場面だった。
セント・ジョンを完全な悪人として描いてなくて、彼の性格も活躍の場があればそこで活きるというふうに描かれている。
ロチェスターが失意の中でジェインの名前を三度呼び、遠く離れたジェインにそれが聞こえ、応える、というのは吉本ばななの『キッチン』を思い出した。
コメント