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☆ハンナ・アレント「道徳哲学のいくつかの問題」

2009年05月11日 02時12分53秒 | 文学
夕方にうたたねして眠れなくなってしまった。

ハンナ・アレントの「責任と判断」(筑摩書房)は「道徳哲学のいくつかの問題」という講演を読んだ。難しい本は途中から飽きてきたり、読み飛ばして意味が分からなくなってしまったりすることも多いのだが、ハンナ・アレントのこの本はとてもおもしろく、じっくりと読む。
なので時間がかかってしまう。
ニーチェの「善悪の彼岸」からの引用が多い。ニーチェ入門としてもとてもいい本だ。
ナチスにいた人たちは命令に従っただけなので道徳的には責められないのか、それとも責任はあるのか、というようなことがハンナ・アレントの思想の出発点になっている。
自己ときちんと対話できるような状態にしようとすることで、人間は邪悪なことはしない。悪いことをすると自己と折り合いがつかなくなる。というようにソクラテスを引用しながら語られる(語られたのだと思う)。
キリスト教の考えでは道徳の基準を自己ではなく他者に置くので、無私になることが良いといわれる、とも語る。
そのような感じです。
私の説明が分かりにくいのは、ハンナ・アレントが悪いわけじゃなくて、私がまだよく分かってないからです。
ひとりのひとの思想を理解するにはもうちょっと読んでみないといけない。

あとから考えれば、すべての行為はもともと定まっていたこと、それ以外に選択の余地のなかったことと考えられて、そこから派生して、これから行うこともすべてすでに決まっていて選択の余地のないことだと考えられるような気がすることもあったのだけれど、最近はそのようには思っていない。
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