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☆高田崇史「QED ベイカー街の問題」感想

2007年01月09日 00時26分37秒 | 文学
QED ベイカー街の問題百人一首に興味があるということで読んでみた「QED 百人一首の呪」だったが、同じQEDシリーズにシャーロック・ホームズについてのものがあるとなると、いまシャーロック・ホームズを読んでいる者としては読まずにはいられないので、高田崇史の「QED ベイカー街の問題」を図書館で借りて読んだ。
高田崇史はわりと好きだ。
鯨統一郎と同じにおいがする。
けなすべき所がない。
強いて難を言えば推理小説としての犯罪解決の説得力だが、そんなものは京極夏彦の登場以降、というか松本清張以来、いやいや江戸川乱歩のときから、どうでもいいことのようなので(よく知らないがたまに読むかぎり)、犯罪解決の場面で「めちゃくちゃじゃねーか!」とか「ありえねー!」って思うのは特にこの作者に限ったことではない。

今回の「ベイカー街の問題」はシャーロキアンたちが次々と殺されていく話。
シャーロック・ホームズについての薀蓄がいろいろ出てきて愉しかった。
少なくともこの小説を読む前に、コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズの生還」までの三つの短編集を読んでおかなければいけないと思う。ネタバレもあるし。
この小説においては殺人やその解決は付け足しに過ぎない。のだと思う。
”マンガで読む経済学”等の本の「マンガ」に相当する。
赤ちゃんに薬を呑ませるときに使うゼリーのようなものかもしれない。

QEDシリーズはあと何冊か興味のあるものがあるので読みたい。ちょうどホームズが切れたので。
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