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「沖縄移民と21世紀へのネットワーク」~ブラジル紀行⑧

2008年09月08日 | 「南米紀行」
 このフォーラム、アカデミックな所為か大会5つのフォーラムの中では、参加聴衆が少なかったが、私には最も興味深いプログラムでした。
一つにはこれまで南米での調査研究実績のある石川所長以下「琉球大移民研究センター」教授10名近くが大挙来訪参加しており、その中には町田、金城両教授等知己がいたことにもよります。3部構成でしたが前半はWUBビジネスプレジェンテーション参加のため、私は最後の部、宮内、野入、金城3教授のパネル発表しか聞けませんでした。
 宮内教授は本土出稼ぎ・季節労働者、野入准教授はウチナンチュ大会に参加した南米各国二世のウチナンチュ意識の実証的調査分析発表で興味深かった。
 往時の移民は“いざ行かん、五大州!”等の海外飛躍への勇ましいスローガンに隠れがちだが、何だかんだ言っても“生活、稼ぎのため”という基本動機という点では今時の本土・出稼ぎ季節工と時空を越えた共通の要素があるのではないか。
「南米移民は“季節”あらぬ“Life出稼ぎ労務”の要素があったのでは?」「本土季節工のUターンは月・年単位だけど南米移民は世代Uターンではないか」。
 もう一つ、南米沖縄移民の調査・分析には他府県移民との比較考査がいま少し欲しい。この点では福井日大教授の先行研究がある。
 さらに、最初の南米移民1908年の「笠戸丸」乗船791名中325名となぜ過半数近い沖縄出身か?その理由背景は?渡航した多くの県出身移住民が“話が違う、騙された”というが“騙した主体は誰か”“他府県者との意識、行動の差”等の比較実証分析も欲しいところでした。
 また、野入教授の行った過年沖縄で行われた「世界ウチナンチュ大会」に参加した南米他国県系人と比較した県系ブラジル人の”沖縄意識”の強さの調査結果を聞きながら、その意識の理由や背景、さらにはこの大会に参加した人々は移住民の何割ぐらいか。経済的に恵まれた特定の階層ではないか等々の疑問が湧いてきました。
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1 コメント

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ご指摘ありがとうございました (野入直美)
2008-09-10 09:33:28
こんにちは、「沖縄移民と21世紀へのネットワーク」フォーラムで報告した野入です。とても貴重なご指摘をいただき、本当にありがとうございました。私は、2006年の世界のウチナーンチュ大会の参加者を対象とするアンケートの結果で南米の沖縄県系の独自性に迫ろうとしたのですが、ご指摘を受けて、あの大会に参加できた県系の人たちが、南米在住の人々の意識を縮図のように代表しているわけではないことを改めて実感しました。報告内容は、琉球大学移民研究センター『移民研究』に執筆する予定です。今後ともご指導をよろしくお願いいたします。
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