”朝吼夕嘆・晴走雨読”

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「首都圏に於ける沖縄プレゼンス」

2007年06月12日 | 「美ら島沖縄大使」便り
 インターネットがこれだけ普及、人の往来も盛んで情報格差がほとんど無くなった今時、こういう言い方に抵抗を覚覚える読者もいるかもしれません。
 すなわち、首都圏から見る沖縄のプレゼンスは仲間由紀恵から比嘉愛未、山田優、国仲涼子、安室奈美江、夏川りみ、宮里藍、上原彩子、諸見里しのぶ、新垣渚、我那覇和樹等に代表されるように女性芸能・スポーツ人の活躍はそれこそ枚挙に暇が無いくらい多士済々。これは一口に言って“歌と踊り・遊びの島・沖縄”の反映、象徴に見える。この口吻に反発する人にはもう一つの表象事例があります。

 全国で県立芸大があるのは沖縄以外は京都、金沢、愛知県他。これら芸大を持つ他府県との大きな違いは沖縄以外は京都工芸繊維、金沢工業、愛知工業と全て工業系大学を合わせもっていること。沖縄以外の九州を見ても日本文理工大(大分)、西日本工業大(福岡)、崇城大学(熊本)、第一工業大(鹿児島)、長崎総合科学大学と宮崎県以外はすべて工業系大学があるが、沖縄科学技術大学院大学創設の動きは別にしても、沖縄では高専も来年ようやく最初の卒業生を送り出す。琉大以外の県内7大学には情報経営系以外の工業系学部は無く、琉大以外の県内理数志望の高校生は県外大学に行かざるを得なかった。この芸大と工業大の各県分布を見ると“沖縄は歌・芸能偏重で工業・生産軽視”と言われても反論は難しい。
 これは“芸能の島”沖縄カルチャーの特徴、自慢こそすれ何も卑下することはないと思う。しかしながら、小規模とは言え首都圏で企業活動をする私達沖縄出身経営者にとって全国的沖縄出身女性芸能人のこのプレゼンスの圧倒的大きさを見るにつけ、自ら省みて忸怩たる思いがある。

 先頃勇退した仲村日産ディーゼル社長を別にして、私達が組織する関東沖縄経営者協会員に今のところ上場会社はない。実は協会には参加していなかったものの最近早々に勇退した琉大卒の一部上場社長はIT企業だった。最近はMBOやファミリー企業が見直されるように上場や売上規模が企業価値の全てではないが、首都圏にもITを中心とする県出身若手ベンチャー経営者が澎湃と出現し、互いに切磋琢磨すべく結束、関東沖縄IT協議会(http://www.koi-c.org/)を立ち上げ、その延長線に合弁会社KOI (http://emeo.co.jp/)を設立、活動を開始している。
 これら若手経営者の動きにはどこか芸能界県出身女性の活躍に触発、刺激されていると思う。いつか女性芸能・スポーツ界に匹敵する県出身企業家の出現を期したい。(沖縄グラフ6月号連載コラム「美ら島沖縄大使の眼」から)               
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