中秋の名月とは、旧暦(太陰太陽暦)8月15日の夜に見える月のことです。
現在の暦(新暦)ですと、9~10月頃にあたります。
結構幅があるように思えますが、これは秋分の日以前で、一番近い新月の日を1日目(旧暦8月1日)とし、15日目を中秋とすると決められているからです。
中秋の名月は「一年で最も美しい月」と言われています。その理由としては、月の高さが見上げるのに丁度いいこと(季節によって高さが変わるため)秋は空気が澄み渡り、月が鮮やかに見えることなどを挙げることが出来ます。
中秋の名月の日には、お月見をする風習(後述)がありますが、過ごしやすい気候のこの季節、月を眺めるにも丁度いいです。
中秋の名月が満月とは限らない!
中秋の名月は必ず満月であるとお考えではありませんか?実はそうとも限らないのです。
例えば、2019年の中秋の名月は9月13日です。しかし、満月となるのは翌日の9月14日。
これはなぜなのでしょうか。理由は、満月の月齢が変化するからです。
新月から満月までの期間は一定ではなく、13.9日~15.6日と幅があります。
旧暦15日は月齢14.0日を含む日を意味する一方、月の満ち欠けの周期は平均約14.8日です。
そのため、旧暦15日と満月が重ならないことが多くあります。
したがって旧暦8月15日である中秋の名月も、満月であるとは限りません。
十五夜とは?さて、満月の夜を表す「十五夜」という言葉がありますよね。
十五夜=中秋の名月と思っている方も多いのではないでしょうか。
実は十五夜には、2つの意味があります。
1.陰暦15日の夜、2.陰暦8月15日の夜(中秋の名月)毎月15日の夜を指すこともあれば、中秋の名月を表す8月15日の場合もあるのです。
お月見の起源!
中秋の名月といえば、お月見ですね。
起源は古代の中国です。
古くからこの日は月を祀る日とされ、満月を鑑賞する風習があったのです。
現在では「中秋節」と呼ばれ、中国の祝日にもなっています。この風習は平安時代の日本にも伝わり、貴族たちが月見の宴を催すようになりました。
庶民の間にまで浸透したのは、江戸時代のことです。
中秋の名月の語源!
中秋の名月といいますが、中秋とはどういった意味なのでしょう。
もうお気づきだと思いますが、中秋は中国の中秋節から来ています。
秋(旧暦7~9月)の真ん中なので「中秋」というそうですよ。
日本では里芋をお供えする収穫祭だった
もともと日本でもこの日の月を「芋名月」といって、里芋をお供えする収穫祭が行われていました。
ここへ中国の中秋節が伝わり、今日のお月見の風習が生まれたとされています。
中秋の名月にやることといえば、まずはお月見でしょう!
月は愛でるだけではなく、信仰の対象でもありました。そこで、月にお供え物をするという習慣が生まれたのです。
お供え物は地域によって異なりますが、一般的には縁側にススキを飾ります。
ススキは稲穂の代わりであるとか、神様の依り代になるとも考えられています。
今年の「仲秋の名月(十五夜)」は満月日と重なりました。数年に一度の事なのです。
それだけに「ムーンパワー」は最大限に享けられると思います。お月見と言えば、十五夜ですが、実は、お月見は昔から「十五夜のお月見の後に十三夜のお月見をすることで(縁起良い)とされる風潮があります」。
十三夜とは、旧暦9月13日のお月見のことで、旧暦8月15日の十五夜の後に巡ってくる十三夜を指します。. そのため、旧暦を新暦になおして10月13日とするのではなく、その年によって日付が変化します。十三夜は十五夜に次いで美しい名月だと言われているため、中秋の名月(十五夜)から約1カ月後に巡ってくる十三夜のお月見を昔から大切にしていました。十五夜または十三夜のどちらか一方しか観ないことを「片見月」「片月見」と呼び、縁起が悪いこととされています。
2023年は10月27日(金)が「十三夜」となります。十五夜も十三夜も金曜日の夜となります。どうやら、十五夜と十三夜のお月見をすれば「金運」が上がるかも知れません。
センスプロデュース研究所、葛西行彦