フクロウは「森の哲学者」と呼ばれています。また木の枝で待ち伏せて音もなく飛び、獲物に飛び掛かることから「森の忍者」とも呼ばれています。物静かで不思議で、ある意味不気味でもあるフクロウのスピリチュアルな意味を解説します。
フクロウの登場する神話や伝説!
フクロウは世界中の神話や伝説の中に登場します。そのごく一部をご紹介します。
北海道のアイヌにおいて、シマフクロウは森の守り神であり、エゾフクロウは猟運の神様として知られています。また、沢山の神々が生まれるきっかけを作ったのがシマフクロウと言われています。
ギリシャ神話では、フクロウは知恵と戦いの女神アテネが常に傍に置くペット、使者として登場します。アテナが持つ知恵と学芸は、フクロウに引き継がれたとされています。
古代ローマ神話には女神ミネルヴァが登場します。知恵、芸術・工芸、戦略、魔術を司る女神ミネルヴァの肩には、知性の象徴としてフクロウが止まっていました。
また、ミネルヴァは医学の知恵も司っていたため、この女神様のご加護があると学業成就や病気が治るとも言われています。
ネイティブアメリカンの世界では、フクロウはスピリットガイドとして知られています。フクロウは危険を予知する予言者でもあり、洞察力に優れ異世界とも通じると言われています。
また、死の神、墓の番人といった一面もあります。
中国では、フクロウには高い霊力があるとされ、悪霊を祓う鳥、人間の命の終わりが分かる鳥として知られています。
また、嵐や雷に関連する不吉な象徴としても知られています。
エジプト神話において、フクロウは異世界とコミュニケーションが取れる鳥とされています。フクロウは神秘の精霊とも言われ、危険を察知することができる予言者として扱われています。
また、古代エジプトでは、トト神というフクロウの姿をした知恵の神様がおられます。
北欧でのフクロウは、森の神として敬われています。フクロウは暗闇でも目が利くため、悪魔から子供を守ってくれるという言い伝えがあり、悪魔払いの鳥とも言われています。
メキシコにおいてフクロウは、人間と神を繋ぐ使者と言われています。フクロウは、地底の世界や死の世界と繋がっていると考えられているためです。また、北風を創るのがフクロウだとも言われています。
オーストラリアのアボリジニの世界では、フクロウは秘密のメッセンジャーとして考えられています。また、アボリジニにとって、コウモリは男性の魂の象徴であり、フクロウは女性の魂の象徴です。
この他にもまだまだ沢山の伝説や言い伝えがあります。フクロウ自体が神様であり、また神様にお仕えする存在なのです。
森の守り神!
フクロウは夜行性であり森の中に住んでいるため、野生の姿を見かける機会は普通では中々ありません。フクロウは群れを作りません。このことから孤高のイメージが高く、常に神聖視されても来ました。また、闇の中を見通す目と、音源の位置や距離を正確に感知できる耳、正面を向いた状態から左右にそれぞれ270度も回転する首の構造を持つことにより、狙った獲物を素早く捕獲する様子が、森の賢者であり森の守り神と言われる所以となっています。
知恵の象徴!
フクロウはスピリチュアル的に「知恵の象徴」という意味があります。それはフクロウが暗闇の中で首を傾けたり回したりして、獲物が発する音を探っている姿が知恵を絞っている状態に見える事や、じっくり腰を落ち着けて物事を見つめ続ける姿勢が賢く見える事からも来ています。さらに一歩進めると、スピリチュアル的には、暗闇の中に入り込んでどこに向かって行ったら良いのか見当もつかない状態の時、それを解決に導くヒントをくれる存在がフクロウだと言えるのです。隠れたものの中から真実を見破るスピリチュアルなパワーを持つ存在、それがフクロウでもあります。
学業成就の象徴!
フクロウの目は僅かな光でも周りが見える事から、どんな小さな事でも見落としがないと考えられています。このような意味でもフクロウは「守り神」や「賢者」と言われるようになり、それが現代では学業成就を意味するようになりました。薬草学などに長けた魔女たちもフクロウを傍らに置いていたようです。
幸福を呼ぶ!
フクロウはスピリチュアル的に「幸せの象徴」という意味があります。フクロウという名詞を漢字の当て字にすると様々な縁起の良い言葉になるのもその理由の一つです。
「不苦労(苦労が無い)」「福老(幸福に年を重ねる)」「福籠(幸福が籠に乗っている)」「福路(幸福な人生を歩む)」「福来郎(福が来る)」などは、一般的に良く知られています。どれも縁起の良い漢字の並びになっていて、これもフクロウのスピリチュアルな一面となっています。
金運の象徴!
金運の象徴というスピリチュアルな一面もフクロウは持っています。金運を上げる象徴とみなされるようになった理由は、フクロウの首が回転することに由来します。借金があり、支払い切れずに立ち行かなくなってしまう状態を「首が回らない」と表現しますね。フクロウの特徴として首を上下左右約180度回すことができ、体を動かさずに首だけで270度回すことができます。つまり、首が回らない状態ではないのがフクロウです。首が回らない状態の逆のため、「お金に困らない」「金運が良くなる」と考えられたようです。
また、この他にも、フクロウは暗闇でも見通すことができる大きな目と優れた聴覚を持っている事から、「先見の明がある」「世間を見通す力がある」とされて、ひいてはそれが知恵、芸術、戦いの象徴や商売繁盛の神様的存在、シンボルとして喜ばれているのです。
不吉の象徴でもある!
フクロウはスピリチュアル的に、あの世や死者との繋がりがある死及び死の使いとして、不吉な象徴としてもカウントされています。夜行性のためか、世界各地の文化でもフクロウは死のシンボルとなっており、それが不吉な予兆ととらえられていることが多いようです。
日本や中国ではフクロウは成長したヒナが母鳥を食べるという言い伝えがあり、ここからフクロウは親不孝の象徴にもなっています。