詰まない詰将棋を修正してみる

2013-06-15 00:00:04 | しょうぎ
詰将棋パラダイス誌6月号に「詰まない詰将棋」が紛れ込んでいた。もちろん全作品を解いているわけじゃなく手数の短いものを解いて、難解そうなものは、自作創作上の参考のため(盗作じゃないよ)に、いくつかをソフトで分析したりする。

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それで問題の作はいかにも、形がよく、初手の選択によって上に行くのか下に行くのか判然としない。といっても全体の駒配置が下の方なのでおよその見当で読んでいくと、途中で手が切れてしまう。では、上から攻めても、うまくいかない。なんとなく不安を感じながらも詰まないのでついにソフトAにお願いするが、10分以上考えてもらっても解けない。ソフトでは解けない問題もあるので、ソフトBに依頼するが、こちらも10分経っても返答がない。

そして、あきらめるも、詰将棋パラダイス誌のHPを見ると、こうなっていた。

【修正情報】
20ページ、D級順位戦1番は編集部の不手際により誤って掲載してしまいました(さらに本図は誤図です)。本作の出題を取消とさせていただきます。作者及び読者の皆様に深くお詫び申し上げます。


つまり、

1.掲載する予定ではないのに掲載してしまった。
2.さらに掲載された図は誤図であった。

しかし、・・・

本来、読者にとって最大の問題は、2の詰まない詰将棋に付き合わされて無駄な時間を費やされたこと、ではないだろうか。

つまり誤図といっても、解答が二つ(余詰)あるというような不完全作とは異なり、もっと困った間違いなのだろう。それに、「不手際により掲載してしまいました」というのは意味がよくわからない。

ということで、その謎に迫るために、この問題を完成作に改造してみようと、ソフトAの人工知能を借りて、色々とやってみた。で、玉方の4二歩の向きを変えて攻め方の駒にすると、元々、第一勘の手で詰むことがわかった。が、終盤で余詰めが発生することがわかった。そのために後手側の3一の銀の守備力では不足しているので、都合により成桂に交換すると、ほぼ完成するが、またも次の余詰が。作者意図は17手詰のような気もするが、現実と妥協して、玉型6四とを配置し、短くしてしまう。

まあまあの作だが、第一勘で答えに到達するのでは、難易度が少し低いかなって感じだ。

なんとなくだが、当初この問題を置いてみたものの、「校正前の段階で4二歩のミスがあった」→「その後で余詰めが発見された」→「校正を飛ばして問題の差し替えか、修正をかけようとした」→「作業の手違いか時間切れで、校正前・余詰修正前の図がそのままになった」というようなことだろうか。

今週の問題は、その修正図とする。

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わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と手数と酷評を記していただければ正誤判断。


6月1日出題作の解答。

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▲3九金 △同玉 ▲3八飛 △2九玉(途中図1) ▲3九金 △1九玉 ▲2九飛 △1八玉 ▲2七歩 △1七玉(途中図2) ▲1八飛 △同玉 ▲2八金まで13手詰

最後に飛車捨てを行うために、あらかじめ飛車を打っておく、という図式である。
動く将棋盤は、こちら

10万年後の人類の顔

2013-06-14 00:00:55 | 市民A
今、話題になっている超未来の人類の顔について。

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まず、男の顔の方だけど、自分に似ているなあ、と思ってしまう。髪も右分けだし。色の黒さもこんなものか。ということは10万年後には、世界中が自分の子孫だらけになるのだろうから、今夜から頑張らないといけないなあ・・とか。


冗談はともかく、10万年というのは、人間の移動距離が短かった大昔はともかく、現在の混血率から言えばほとんどオリジナル遺伝子が残らないように混ざった状態なのだろうと思ってしまう。

顔の話では、幕末のペリー来航の当時の町民を描いた絵では日本人は丸顔ばかりだったようで(頭蓋骨の研究上も同様の結果だが)、現代の日本人で丸顔は五人に一人か二人程度だろうから、五世代位で大きく変わってしまうのだろう。

公表された未来の顔で、眼球が大きいのは、人類が地球外で生活することになって光が少ない惑星に移住するからだそうだが、具体的には「火星」ということだろうか。

しかし、気になるのは、この顔付きだが、古典的日本人にはまったく似ていない。さらに世界の人口大国である中国とインドのことを考えれば、インドの要素は含まれているものの中国の要素は感じられない。そこに違和感があるのだが、こういうシナリオだろうか。

中国覇権の前に、他の地球人が地球上から追い立てられて、火星に住むことになるということかもしれない。あるいは、陽の当たらない地下国家でゲリラ活動を続けているとか。

ところで、人類はアフリカの中部で約400万年前に登場し、その後、世界各地を放浪することになったのだが、結局、すべてが合体すると、元の顔とかに戻らず、別の姿になるというのは、結構、面白い話だ。10万年後には、人類が滅亡する可能性も、そう低くはないのだろうが、その時に、ペットとして人間に遺伝子を操られていた犬族はついに自由を獲得し、野犬化して、勝手気ままに交配を重ねていくだろうから、最終的に元のオオカミの姿を取り戻せるのか、あるいは別の顔になっていくのか興味がある。もっとも、人間並みの知能を持つように進化するかもしれないわけで、狼男みたいな顔になっているのだろうか。

シャガールを見た二日後にモネを見るのが倉敷か

2013-06-13 00:00:15 | 美術館・博物館・工芸品
訪問先の社長室でシャガールを鑑賞したあと、その会社のことをよく知っている人に聞いたところ、社長室のシャガールどころではなく、隣接する自宅の蔵には、お宝が大量に眠っているという話を聞いた。もっとも高いのは「猿の絵」らしい。

「猿の絵」ではなんのことかわからないが、翌日、朝のベッドの中で、それがアンリ・ルソーの1905年ごろのアフリカシリーズの中の一作ではないか、と思えてきた。ライオンや黒人や蛇や猿をジャングルの中に配置した構図である。もっとも確認するには本人に聞くしかないが、他人様の蔵の中にある名画をまったくの他人である私が知っているとしたら、それこそ怪しい限りであるから、うっかり聞くわけにはいかない。

そして、その翌日、今度は倉敷市内の某○○書士の事務所に打ち合わせに行ったところ、今度は二枚あった。一枚はセザンヌ風だが、よくわからない。もう一枚には、C.MONETと書かれている。モネだ。印象派itself。

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座った席が正面からずれていたので、はっきりとは確認できないが、セーヌ川の風景を描いたもの。その原画をリトグラフ化したもののようだ。

やはり倉敷は芸術好みが半端じゃない。

私の自宅にも、仕事場の執務室の壁にも、それっぽいものは何もないのだが、やはり何か用意した方がいいのだろうか。

土俵に棲む鬼(もりたなるお著)

2013-06-12 00:00:30 | 書評
相撲小説集である。この手のものは短編がふさわしいのかもしれない。長編で書くと、「瀬戸際大関おおた山の苦闘」みたいな物になって、タニマチや銀座のママや親方に挟まれてニッチもサッチもいかなくなって、八百長に頼った末、週刊誌で暴かれて、その後廃業して第二、第三の人生で社会の裏側に回って、さらに・・・というような転落と再生ではなく、転落に次ぐ転落といった方向に進んでしまうのかもしれない。

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ところが、短編小説でも、八百長の連絡係にされて、胃潰瘍になってしまう気の弱い力士や、大関に推挙されるや重責に耐えられず廃業してしまう力士。出世で追い抜かれた後輩を谷底に突き落とす先輩行司とか、ずいぶんなテーマである。

まあ、白けた言い方をすれば、そういう偽文化を国技に祭り上げ、国民の娯楽として、裏では社会全体で薄汚いことをやっていたのが20世紀後半の日本だったのだろう。

ところで、小説の話ではないのだが、この文庫本は1992年に発刊されたものなのだが、それを当時読んだものなのかどうかもはっきりしないまま書棚の片隅に眠っていたのだが、ちょうど新幹線に乗る前の夜に、読む本の在庫切れになっていて、深く考えずに鞄に入れていた。

その夜の夢に現れたのが「後の先」ということばで、どうも将棋を教える時に高等戦術として、そのコトバを使うようなシチュエーションだったのだが、意味がよくわからず、囲碁のコトバだったかなあとか夢の中で困っていたのだが、早朝の新幹線の中で本を開いて、最初の短編である「一瞬の栄光」の中で、大横綱双葉山の相撲の極意として「後の先」ということばが現れて、自分ながら驚いてしまった。

本の内容について記憶はないのだが、おそらく20年前に一回読んでいて、この本のタイトルと「後の先」というコトバが関連づけられて、本を昨夜、手にした時に、視界から入ったタイトルに「後の先」がリンクしてしまったのだろうと、人間の脳の不思議な機能におどろいているわけだ。

シャガールの話を書いた日に、本物を見るのが芸術都市倉敷か

2013-06-11 00:00:11 | 美術館・博物館・工芸品
備前焼の話に本ブログ愛読者のさわやか風太郎さまからコメントがあり、「ピカソかシャガールの絵でも探しているよ」と軽口を叩いたその数時間後に、倉敷市のある個人企業に所用で伺い、社長室に入ると、どうみてもシャガールという版画が飾られている。

「女性と男性」・「架空動物」・「花束」・「神話的象徴」・「美しい寒色」。シャガールの特徴が総動員である。サイズも40センチ位とそこそこで、シャガールとして珍しいのは、縦型ではなく、横型ということかな。



おおた:「これ、1億円ですか」

某社長:「いや、版画ですから○百万円ですね」

おおた:「やはり本物ですか、すばらしい趣味ですね」

某社長:「いや、親父が好きだったもので。私は、よくわからないのですよ」


さすが芸術都市倉敷というべきだろうか。

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すごすごと退散してから調べてみると、「ダフニスとクロエ:ニンフたちの洞穴」というタイトルで、1964年にシャガールが最初に石版で刷ったのが250部。○百万円×250=○億円ということになる。

一方、原画ではなく、そのコピーリトグラフとしてシャガール物が売られているのは、数万円程度のものも多い。やはり原版価格は大違いだ。


社長自身の「私は、よくわからない」という言葉を真に受けて、深夜に忍び込んで、カラーコピーと入れ替えようかと頭の片隅をよぎるものがあったが、すぐに思い直すことにした。カラーコピーと入れ替えたものも、実は盗難対策でカラーコピーだったりすることはないのだろうか。

やはりサザビーで入手しなければいけないのかもしれない。ここに負け犬の遠吠えのように書くだけだが。

明日あたり本物のピカソに出会ったりするのかな・・

本田はなぜPKを真ん中に蹴ったのか

2013-06-10 00:00:42 | スポーツ
ワールドカップ予選を突破したオーストラリア戦の話題はDJポリスに集中してしまったのだが、DJ登場の前の話題の中心は、「本田はなぜPKを真ん中に蹴ったのか」ということだった。で、ネット上の意見を総合すると、「だから、本田はPKを蹴るべきじゃない」というのが多かった。

実は、本田は、今までに何度もPKを真ん中に蹴っていて、それを成功させている。しかし、もちろんキーパーが左右に飛ばないと失敗するわけだ。敵の動きを前提とした作戦と言える。つまり、本田的じゃないという感じがあるわけだ。

ところで、短い期間、サッカーをしたことがあって、何回かPKを蹴ったことがあった。もちろんそんなに速く蹴れるわけでもなければ、相手キーパーの動きだって緩慢だったはずだから、そのままあてはめるわけにはいかないが、一応、作戦上、右利きなので左下隅を第一候補として、キーパーに読まれたと咄嗟に判断した場合は右の方に蹴ることにしていた。その場合は左に蹴るのよりも少し弱くなる。

それで、今回の本田のキックだが、最初から真ん中に蹴ることを堅く決めていたのかどうかだが、私の推理では、左右にキーパーが飛ぶことを前提にセンターに強く蹴るというのを第一候補にして、仮にキーパーが動かなかった場合は、左利きなので右側サイドネットをやや弱めに狙うという作戦だったのではないだろうか。

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まず、ボールをセットした後の本田の立っている場所が、かなりボールの直線的後ろに近い。あの位置に立つと左に蹴るのはかなり難しい。キーパーからすれば、いかにも一点張りしやすい感じになってくる。そこが巧まずして罠になっている。

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そして、本田がボールを蹴る一瞬前にキーパーは向かって右側に飛んでいる。その結果、第一候補だったセンターに強いボールを蹴っている。

やはり、本田は二通りの蹴り方を用意していた、と判断したい。

寸胴型花器(20センチ高)

2013-06-09 00:00:20 | 市民A
倉敷の仮寓に引っ越してから2か月経ち、それなりに基本的な生活用の用品は揃ったものの、まだまだ必要なものは揃っていない。

たとえば、『夏用のパジャマ』、『おいしい珈琲を飲むための小道具』、『浴室にこもる下水臭対策用品』、『玄関の靴箱の上におく装飾品』とか。

そして、それらのうち、何を優先したかというと、とても、大至急の物とは思えない靴箱の上である。


備前焼』。

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もちろん、すぐにそんなもの買わなくてもいいのだが、なんとなく落ち着かないわけだ。

で、100万円の人間国宝作を買おうというわけではないし、そもそも備前焼の名作というのは、どういうものかもよくわからず、どうも表面にキズ一つないものがいいわけではなく、窯変(ようへん)といって、焼いている間に窯の中で燃料の燃え方によって、さまざまなキズや焼きむらが起きることから、それらの変化を楽しむということらしい。

とはいっても適度な窯変度合というのがあって、そういうものに甲乙丙丁をつけて評価を定めるということらしい。

だから、初めて買う時には、どうしても、「適当!」ということになってしまう。

ただ、いろいろと眺めていると、どうも備前焼の素朴な肌合いに対し、造形上は、あまり無骨が好まれていないようにも気もする。室町時代は茶道具として人気を博していたそうだが、足利家、細川家といた元武士階級が公家化していく過程で、「本質的に武骨な人間が武骨から離れていく精神」が発見されたのが、「茶」であったのだろうか。

そういう意味で造形が優雅なものが備前の代表なのかもしれないが、あえて、ストレートかつシンプルデザインの寸胴型の花器にしてみた。こういうものの常として、定価として書かれた金額の1/2で交渉を行うと、うまくいくことが多い。そして、器の価値に付きものなのが、「箱」。木箱、紙箱、箱なしの3段階に分かれる。もちろん箱なしを選ぶ。部屋が狭いからだ(というのは偽の理由)。


花器の下敷きには岡山特産の畳製品を配置したいが、すでに国内産業は壊滅しているようで、かわりにこれも岡山産として有名なジーンズ生地を組み合わせてみた(ジーンズも国内壊滅に向かっているように思えるが)

あとは、花器に生けるべき花をどうするかということだが、空き地にいって雑草でも集めてくるか、器だけを飾っておくかということになる。


で、花器が手に入ったことで、今度は壁にかけるべき絵画が欲しくなってきたのだが、どうしよう。

必勝法を公表しないのはなぜか

2013-06-08 00:00:52 | しょうぎ
第71期将棋名人戦7番勝負は4勝1敗と、あっけなく終了。個人的には、全10戦総手数1263手を要した第40期名人戦(加藤×中原)とか最終局二日目朝まで優位を築いていながら目前の名人位の重圧に自壊した第50期の(高橋×中原)が、深く印象に残っているが、今回も(前回も)、もう、あまり期待も興奮もないまま傍観しているような感じだ。

そして、あれだけ独占的に強いはずの羽生将棋が、どうして森内戦になると圧倒的優位を築けないのかというのは、将棋界の謎なのだが、もう一つ関連した謎がある。

つまり、森内名人は「羽生攻略法」を、なぜ他の棋士に公開(あるいは伝授)しないのか、ということだ。タイトル戦の予選トーナメントやリーグ戦で早々と羽生氏が敗退してくれれば、自分の勝率もあがるのではないか、と思うのだが、そういう卑怯なマネはできないということなのだろうか。

あるいは、必勝法というのが、あまり口外できない種類のもので、たとえば1日目の夜に何時間もかけて、こっそりパソコンで最善手探しをするとか、そういうことなのだろうか。

中原元名人は、タイトル戦の時には、ポータブルの磁石盤を持ち歩いていたらしいので似たようなものかもしれないのだから遠慮することはないだろう。


さて、5月25日出題作の解答。

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長いのだけど、一応、最初の駒取の段階で、手順前後は認められないことになっている。

動く将棋盤はこちら


今週の問題。

0608


奇抜な手はない。最後は、軽く終わる。そろそろ詰将棋製作を再開しないと、在庫切れになる。


わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と手数と酷評を記していただければ、正誤判断。

チョコクロのモカスムージー、ちょっと変?

2013-06-07 00:00:53 | あじ
今、まったく変なのが、マック(日本マクドナルド)だ。

もっともNTTドコモのスマホ2トップ作戦もまったく理解できないのだが、話を外食・カフェ部門に限れば、マックではwifiを自由に使えない、というか、早く顧客を店外に追い出そうという魂胆が丸見えだ。(ただし、wifi-freeといっても、そのアクセス記録は全部もって行かれるので、犯罪者同士が連絡につかう場合、逮捕されやすいリスクがあることを忘れてはいけない)

それに対し、今や都心部では、スタバ以上に人気沸騰しているのが、サンマルクカフェ。別名:チョコクロであるが、実際には、チョコクロの方が正式名称といってもいい。

で、そのチョコクロを代表するのがチョコクロである。チョコクロワッサン。普通、堅いチョコレートをパンで包んで高温で焼くと、チョコが溶けてしまって単にタニシの形のチョコパンができてしまう。

そこが、ベーカリーでもあるサンマルクの技術でチョコクロが完成したわけだ。

さらにユニークな商品名で、次々を新製品を投入。

やみつきドッグ
ベーコンとバジルのパリパリパリーニ
プリップリッ海老カツバーガー


ネーミング担当が大阪人なのだろうか。


しかし、・・・



某空港のチョコクロで、季節商品の「モカスムージー」を注文。

うまくないのだ。

元々、スムージーとコーヒーというのも組み合わせが悪そうだ。

味が薄い上に、甘くもない。作り方が違うのだろうと確信しているのだが、今更、それを言っても無駄ということだろうか。

「引き分け」って何なのだろう

2013-06-06 00:00:32 | 市民A
紆余曲折の末、6月20日から日ロ間の領土問題交渉が再開されるようだ。それもいきなり次官(副大臣)級、つまり外務大臣の次のクラスのレベルである。

この問題については、2010年2月17日および2月18日に本ブログでまとめた通りであり、「引き分け論」については、両者が少しずつ痛む感じを共有するということなのだろう。

つまり、日本から見ると3島プラスアルファ、ロシアから見ると面積1/2プラスアルファーということなのだろうか。

択捉のどこかに線を引き、主権の存在を明確にしたうえ、現在北方領土に居住しているロシア国民には日本国籍を与え、居住権、財産権を保障し、旧島民の帰島希望者には、島の国有地を新たに分譲する。

ロシア語も日本の共通語とし、択捉島のロシア軍基地はそのままとして、在日米軍と同様に在日ロ軍を認める。国後水道(択捉と国後の間)のロシア原潜の通行は認め、核搭載の如何については、あいまいにして密約を結んでおく。

そういうことでいいのではないだろうか。

ところで、ロシアは中国はじめウクライナ、ノルウェーなどとも国境交渉を続けた結果、日本との協議がほぼ最後に残っている状態にある。

それでは、なぜ、さして有利でもない「半分ずっこ」で解決を急いでいるのだろう。

少し、時間をかけて、ロシアの行動をながめていたのだが、本来、歴史的に問題地点の歴史を調べると、どうもロシアが無理やり手に入れた領土である、というところで落ち着く。

四島にしても、もともと、国後までの3島は江戸時代には日本領としてはっきりしており、択捉について、日ロ間で武力衝突を何回か起こしている。そして樺太。こちらも多民族が混じり合っていて、おそらく日本もロシアにしても固有な土地ではなく沿海州などから移り住んだ多国籍社会だったようだ。

おそらく、プーチンは今のロシアの領土が今後100年ほどの間に、一部の地域が欠落することを想定し、その前にはっきりと国境線を確定しておきたいのだろう。

ともかく、20日からの会議で、『引き分け』の解釈がわかれば、それは大収穫ということではないだろうか。

凍りつく骨(メアリ・W・ウォーカー著)と「間男お持ち帰り事件」

2013-06-05 00:00:17 | 書評
ミステリの本を沢山引っ越し先に持って行ったため、順次読んでいるのだが『凍りつく骨(ZERO AT THE BONE)』という題名が、何を意味するのかは読み終わってもよくわからなかった。ただし、筋書きはよくわかったので問題はないのだが。

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古い作なので、あらすじを書いてしまうが、アメリカで動物園を経営している名門の一家が、希少動物を動物園用として輸入して、その一部を狩猟クラブに横流ししているという、おぞましいストーリーが底辺に流れている。もっとも、そういう希少動物を猟銃やボウガンで撃って殺して剥製にするというような趣味を持つ人が米国には沢山いるのだろうから、このミステリに対する違和感は日米で大きく違うに間違いない。

そして、その不正行為を隠すためにいくつかの連続殺人事件が発生し、いずれも動物園関係者が動物に襲われて命を落としていくと思わせるわけだ。

当然ながら、そのあたりでは、一家の一味の犯罪と思うのだが、それでは解決できない僅かな謎が残る。

そして、連続殺人の真の犯人、真の動機は30年以上前のまったく別の種類の殺人事件に起因していることが、最後の何ページかで明かされるのだが、実は、それは、最近、興味沸騰事件になっている「間男お持ち帰り事件」ということになる。

淫乱欲情女を妻にした夫が、予定外の時間に帰宅した時、自宅の寝室で目撃したものは・・

で、平成の、気弱い夫は、その行為を目撃したあと、絶望のあまり自分が逃げ出してしまったのだが、この米国産のミステリでは、夫が怒って、飼っていた毒蛇に間男を襲わせて即死させてしまったわけだ。そして、その親族や関係者が30年後に復讐の殺人ゲームを始める。

で、ミステリの話はともかく、間男の話は、日本でも江戸時代から色々あって、現場を押さえた夫は二人を重ねて「四つに切ってもいい」と言われている。もちろん、四つに切るためには男女が上下裏表は問わず、きちんと重なり合っていないといけないわけで、馬乗りになったり妙な角度になって珍プレーを楽しんでいたりすると、三枚下ろしになったり手足がバラバラになったりするわけだ。

といっても、実際には、そんな血生臭い解決法を選ぶ場合は、ほぼ皆無であり、ほとんどの場合は、奥様に実家に戻っていただくか、間男に押し付けた上、和解金として20両程度を受け取って解決したというのだから、江戸も平成も同じようなものかもしれない。

バックダンサーズ!(2006年)

2013-06-04 00:00:29 | 映画・演劇・Video
売れないバックダンサーズが解雇されて、それから再起するという、どちらかというと月並みなストーリーなのだけど、ダンサーの4人が、平山あや、hiro、ソニン、サエコという各界の有名人であることと、単にカムバック・ストーリーではなく、それぞれの抱える過去とか未来の不安とか、そういうものが絡んでいくわけだけど、結局、それらに割にキチンと結末をつけて、明るい未来が見えてくるわけだよね。

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それと、70年代ロッカーが登場してきて、そういえば「少年メリケンサック」もそういう展開だった、と思い出してしまう。売り出されるグループと売り出すプロデューサーの男と女の性別が逆になっているけど。同類で、結末がちょっと違って、メリケンサックの方が破壊的かな。

しかし、これをDVDで観ているのだが、結構、窓の外が静かじゃない部屋に大型のテレビとスピーカー類を並べて聴こうというのだから、ご近所迷惑になっている可能性がある。それにダンスミュージックって、突然、大音響になったりするし・・

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話を映画に戻すと、平山あやが、「ダンスにアガリはないし」と何回も語るのだけど、主演の4人も女性も、なんとなくそろってマルチタレント風になっていて、今後、どこに向かおうとしているのか、当人たちを含めて、よくわからない、つまりアガリが不透明というように思える。こういう映画に出たからなのかもしれない。

侵入(ディック・フランシス著)

2013-06-04 00:00:03 | 書評
ディック・フランシスの競馬ミステリーを何冊か読んでいる。英国の競馬の方式と日本の公設ギャンブルとしての方式は大きく変わっていて、そのあたりに慣れないと読むのに苦労する。つまり、日本では競馬という仕組み自体を丸ごと管理して共通オッズとかしているけれど、そもそもすべてが個人の責任でできあがっているわけだ。

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で、花形騎手でもたいして稼ぎはよくないようで、このミステリでは、騎手がにわか探偵となり、殺されかけたりするのだが、残念ながら、誰も死なない。

ストーリーの背後には、あくどい金貸しが、慈善事業を行って、それから勲章を手にして、貴族になろうという野心が見受けられる。

そういえば、貴族の特権制度など残っているのは英国と北朝位なものだろうか。英国には確か、憲法がないが、北朝鮮には確か憲法がある。

岡山県謎解き散歩

2013-06-03 00:00:42 | たび
せっかく岡山にいるのに、週末はほとんど東京か横浜にいるので、二流国に駐在している商社マンみたいに、地元観光をする時間もない。とはいえ、いずれ散策タイムの時間を得ることもあるだろうから、少し本を読んで勉強してみる。「岡山県謎解き散歩」という怪しい題名の本を読んでみる。

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とはいえ、興味というのは人によって異なっていて万能観光ガイドなんてあるわけない。前から興味を持っていた「鳥人幸吉」とか「軽便鉄道跡」とか「人見絹代」の話なんか、まったくでてこない。

しかし、それでは、きょうのブログが書けないので、この本に紹介されている話題についてだが、岡山県北部にあたる吉備の国について、吉備=邪馬台国という説が当地では信じられているらしい。邪馬台国論争は北九州(吉野ヶ里遺跡)か大和(奈良)かというような論争があるのだが、吉備にあったというのは新説だ。

どうも、出雲政権と大和政権があって、中間に吉備政権があったという説らしい。そういえば美作の国、独立1300年記念の特別行事が行われている。つまり古事記と同い年である。

ただし、岡山県の『みどころ』というのは、県内各地に散らばっていて、制覇するのはかなり時間がかかることがわかってきた。まあ、ぼちぼちと・・・

倉敷市立自然史博物館

2013-06-02 00:00:27 | 美術館・博物館・工芸品
倉敷といえば美術館で有名なのだが、実は、あらかた行ったことがあるので、別の切り口で『博物館』へ足を運ぶ。

倉敷市立自然史博物館。

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まず、驚くのがナウマンゾウの親子が待ちかまえている。ただし、資料を読んでいると、大昔に日本が南方と北方の二か所で大陸とつながっていた時期に、大陸から動物たちがやってきて住んでいたようだ。地球史的に言えばそんなに古い時期じゃないが、人類が現れたころにはもう日本海が湖じゃなく海になっていたようだ。では、日本海が巨大な湖だった頃にその湖水はどこから溜まったものなのかはよくわからないし、きっとかなり淀んでいたのではないかとも思えるが、その話はここではわからない。

結局、地球の歴史の中で倉敷や岡山の自然史を語ろうというのは、ちょっと無理過ぎじゃないかと思ったわけだ。ただ、鳥類とか哺乳類とか、関東とは違うなあと思ったのだが、関東も関西も気候がそれほど違うわけじゃないのに、なぜ違うのか、その辺はよくわからなかった。

shizenshihaku


そして、隣接した倉敷図書館で、倉敷あるいは岡山由来の人物で時代や歴史に乗り損ねた悲運の有名人物がいないか、軽い調査を行ったのだが、このブログでかつて取りまとめた米国に帰化した画家国吉康雄についてもそれほど充実していないようだ(倉敷じゃなく岡山市出身だからだろう)し、まったくの第一勘では、日本人女性初の五輪メダリストの人見絹枝さんとかフォーカスしてもいいかなって思っている。だって、享年24歳だよ・・