詰将棋パラダイス誌6月号に「詰まない詰将棋」が紛れ込んでいた。もちろん全作品を解いているわけじゃなく手数の短いものを解いて、難解そうなものは、自作創作上の参考のため(盗作じゃないよ)に、いくつかをソフトで分析したりする。
それで問題の作はいかにも、形がよく、初手の選択によって上に行くのか下に行くのか判然としない。といっても全体の駒配置が下の方なのでおよその見当で読んでいくと、途中で手が切れてしまう。では、上から攻めても、うまくいかない。なんとなく不安を感じながらも詰まないのでついにソフトAにお願いするが、10分以上考えてもらっても解けない。ソフトでは解けない問題もあるので、ソフトBに依頼するが、こちらも10分経っても返答がない。
そして、あきらめるも、詰将棋パラダイス誌のHPを見ると、こうなっていた。
つまり、
1.掲載する予定ではないのに掲載してしまった。
2.さらに掲載された図は誤図であった。
しかし、・・・
本来、読者にとって最大の問題は、2の詰まない詰将棋に付き合わされて無駄な時間を費やされたこと、ではないだろうか。
つまり誤図といっても、解答が二つ(余詰)あるというような不完全作とは異なり、もっと困った間違いなのだろう。それに、「不手際により掲載してしまいました」というのは意味がよくわからない。
ということで、その謎に迫るために、この問題を完成作に改造してみようと、ソフトAの人工知能を借りて、色々とやってみた。で、玉方の4二歩の向きを変えて攻め方の駒にすると、元々、第一勘の手で詰むことがわかった。が、終盤で余詰めが発生することがわかった。そのために後手側の3一の銀の守備力では不足しているので、都合により成桂に交換すると、ほぼ完成するが、またも次の余詰が。作者意図は17手詰のような気もするが、現実と妥協して、玉型6四とを配置し、短くしてしまう。
まあまあの作だが、第一勘で答えに到達するのでは、難易度が少し低いかなって感じだ。
なんとなくだが、当初この問題を置いてみたものの、「校正前の段階で4二歩のミスがあった」→「その後で余詰めが発見された」→「校正を飛ばして問題の差し替えか、修正をかけようとした」→「作業の手違いか時間切れで、校正前・余詰修正前の図がそのままになった」というようなことだろうか。
今週の問題は、その修正図とする。
わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と手数と酷評を記していただければ正誤判断。
6月1日出題作の解答。
▲3九金 △同玉 ▲3八飛 △2九玉(途中図1) ▲3九金 △1九玉 ▲2九飛 △1八玉 ▲2七歩 △1七玉(途中図2) ▲1八飛 △同玉 ▲2八金まで13手詰
最後に飛車捨てを行うために、あらかじめ飛車を打っておく、という図式である。
動く将棋盤は、こちら。
それで問題の作はいかにも、形がよく、初手の選択によって上に行くのか下に行くのか判然としない。といっても全体の駒配置が下の方なのでおよその見当で読んでいくと、途中で手が切れてしまう。では、上から攻めても、うまくいかない。なんとなく不安を感じながらも詰まないのでついにソフトAにお願いするが、10分以上考えてもらっても解けない。ソフトでは解けない問題もあるので、ソフトBに依頼するが、こちらも10分経っても返答がない。
そして、あきらめるも、詰将棋パラダイス誌のHPを見ると、こうなっていた。
【修正情報】
20ページ、D級順位戦1番は編集部の不手際により誤って掲載してしまいました(さらに本図は誤図です)。本作の出題を取消とさせていただきます。作者及び読者の皆様に深くお詫び申し上げます。
つまり、
1.掲載する予定ではないのに掲載してしまった。
2.さらに掲載された図は誤図であった。
しかし、・・・
本来、読者にとって最大の問題は、2の詰まない詰将棋に付き合わされて無駄な時間を費やされたこと、ではないだろうか。
つまり誤図といっても、解答が二つ(余詰)あるというような不完全作とは異なり、もっと困った間違いなのだろう。それに、「不手際により掲載してしまいました」というのは意味がよくわからない。
ということで、その謎に迫るために、この問題を完成作に改造してみようと、ソフトAの人工知能を借りて、色々とやってみた。で、玉方の4二歩の向きを変えて攻め方の駒にすると、元々、第一勘の手で詰むことがわかった。が、終盤で余詰めが発生することがわかった。そのために後手側の3一の銀の守備力では不足しているので、都合により成桂に交換すると、ほぼ完成するが、またも次の余詰が。作者意図は17手詰のような気もするが、現実と妥協して、玉型6四とを配置し、短くしてしまう。
まあまあの作だが、第一勘で答えに到達するのでは、難易度が少し低いかなって感じだ。
なんとなくだが、当初この問題を置いてみたものの、「校正前の段階で4二歩のミスがあった」→「その後で余詰めが発見された」→「校正を飛ばして問題の差し替えか、修正をかけようとした」→「作業の手違いか時間切れで、校正前・余詰修正前の図がそのままになった」というようなことだろうか。
今週の問題は、その修正図とする。
わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と手数と酷評を記していただければ正誤判断。
6月1日出題作の解答。
▲3九金 △同玉 ▲3八飛 △2九玉(途中図1) ▲3九金 △1九玉 ▲2九飛 △1八玉 ▲2七歩 △1七玉(途中図2) ▲1八飛 △同玉 ▲2八金まで13手詰
最後に飛車捨てを行うために、あらかじめ飛車を打っておく、という図式である。
動く将棋盤は、こちら。