思い出横丁で食べ損ねる

2017-08-25 00:00:25 | あじ
新宿駅西口に夕方用事があって、そういえば「あそこ」へ行ってみようかと思う。用件は1時間くらいなので、その後、焼鳥でも食べようかと基本構想を立てる。

で、近くだったので、その目的地を事前に下見にいく。

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路地の入口に看板がある。

「思い出横丁」。戦前からなら「思ひ出」と書くだろうから戦後の産物だ。

そして、この横丁には正式名称の他、二つの俗称がある。

正式には「新宿西口商店街」。俗称1が「思い出横丁」。俗称2は「ションベン横丁」。

実際、今はこの横丁の中央に公衆トイレがあるので、道端で用を足す人はいない(はず)。

戦後、このあたりから伊勢丹の場所まで闇市だったそうだ。都民の胃袋の街だった。

現状の特徴としては、道幅が2m位で、両サイドに二階建てのハーモニカ型の焼き鳥屋等が並ぶ。ほとんどが狭い面積にカウンターを並べるので、奥の席に押し込められると、トイレに行くつど、手前の人たちが場所をあけないといけないので、ついつい我慢してしまい、トイレにいく前に道端に放出することになるのだろうか(ただし、道端は存在しない。隙間なく店が並んでいる)。

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また、アーケードではなく、空が見える。大雨が降ってきたら面倒なことになるだろう。

そして、下見をしていると、空がにわかに暗くなってきたわけだ。この写真を写した10秒後に雨が降り始める。あわてて横丁を抜ける頃には大雨になり、信号を渡ってビックカメラのビルに逃げ込むと同時に雷鳴が始まり、都内1000連発の雷攻撃が始まったわけだ。

ということで、横丁攻略は不発ということになったのだが、帰りの電車が、途中の二子玉川駅で花火大会中止で、全身濡れた浴衣の若者たちと一緒になってしまう。

車内放送は、
「衣服の濡れたお客様が多数いらっしゃいますので、冷房はかけますが、扇風機につきましては、『切り』とさせていただきます。」と再三繰り返していた。

この、「『切り』とさせていただきます」という奇妙なマニュアル風の日本語は、初めて聞いた表現だが、単に「切らしていただきます」と言えばいいようなものだ。

応用すると、「あなたとの労働契約は、今月末をもって『切り』とさせていただきます」というように契約とか婚姻関係とか、ゴルフのテレビ中継を途中でテレビ局が打ち切る時とか、将棋で負けたときとか、「負けました」といわずに「対局する気力を『切り』とさせていただきます」とか使えそうだ。反対に、本当に「切る」場合には使わない。「あなたの胃潰瘍ですが、治療法は投薬ではなく『切り』とさせていただきます」とは絶対に使わない。


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