「私のアイデア貯金箱」コンクールで一考

2005-11-12 23:04:23 | 美術館・博物館・工芸品
05136b03.jpg郵便局へ行ったついでに、第31回「私のアイデア貯金箱」コンクールの入場無料券をもらう。大手町の「ていぱーく」という元の逓信博物館。無料とはいうが、この博物館の入場料は110円なのでそんなにうれしいわけでもない。

こどもの夏休みの作品といった感なので、わざわざということもないのだが、実は現代アジア芸術は、この「夏休みのこどもの宿題」的な愉快な作品が多いので、馬鹿にはできない。そして、東京駅で下車して駆け足で覗いてみると、まあ、やはり「こどもの作品を大人が選ぶと、つまらないものを選ぶ」という公式にあてはまってしまって、何か、アイデアというより細かな仕上げのテクニックといったもので上位を決めているような気がする。

05136b03.jpg総務大臣賞や郵政長官賞には入ってなかったが、男児のアイデアの「素朴な西瓜型の貯金箱」がいいなあと思ったが、そういうのは賞には選ばれない。女児のアイデアでも「メロンの貯金箱」があったが、これも同様。現場で撮影できなかったので、昨年の入賞作をHPから拝借して紹介(今年の作として紹介すると、さいたま新聞の運動会記事のようになる)。「首里城」「僕の町の郵便局」「1年で1万円」の三作。


ところで、ていぱーくだが、旧郵政省管轄の事業、「郵便局」、「NTT」、「NHK」の博物館で、当日は前島密生誕170年展が開かれていた。郵便局の三大事業といえば、郵便、貯金、簡易保険ということになるのだが、資料を見ると、特に貯金の分野はかなり初期からやっていたようだ。まず、郵便事業だが明治4年(1871年)に郵便事業が始まる。その後、前島が欧州視察から帰ってきて、まず明治8年(1875年)1月に郵便為替を開始する。そしてその4ヵ月後の5月に貯金業務を開始している。一方、保険事業は遅れて、大正5年(1916年)に始まっている。

05136b03.jpgそして100年という長い期間の末、巨大郵便局になってしまったわけだ。考えてみれば、貯金箱コンクールを郵便局で行うこと自体、郵政三事業の二事業にまたがっているわけで、この31回目になったコンクールもそのうち形態が変わるのだろう。本コンクールは来年3月まで北海道から沖縄まで全国13箇所をツアーすることになっているのだが、貯金箱を立派にしてもおカネがたまらない人には縁がないかもしれない


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