意見がまとまらないことを確認する会議

2012-03-27 00:00:32 | 市民A
経産省が主催する「総合資源エネルギー調査基本問題委員会」は、第一ラウンドの終わりに近づき、数日間隔で会合を重ねている。

が、いっこうに、委員会の意見としての「エネルギーのベストミックス」に近づく気配がない。要するに中立性を担保するために、原発推進派と廃止派とを一堂に集めているからで、過去の議事録をみても、議論はまったく噛み合わないまま、両者がそれぞれの意見を展開しているだけになっている。

もっとも、推進論の中も、無資源国故の原発至上主義や、原子力の平和利用を世界に広めようという意見とか、その他、経済的、政治的な目的を含んでいる場合もある。一方、反対論の中にも、反核主義もあれば、核再利用サイクルの困難さを廃止の根拠とするものや、立地問題、経済問題など、各種の意見がまじりあっている。

3月19日の第16回では、再生可能エネルギーと原子力についての構成比の議論があったのだが、意見はバラバラである。

電源構成の中の原発比率について、ゼロ回答が7名、20%が7名、25%が2名、30%が1名ということだそうだ。中間意見が無い。

再生可能エネルギーの電源構成率については50%から15%程度までまちまちであるが、これは原発比率と裏腹の関係にあると考えられる。また、また太陽光、風力については、7月に買い取り価格が決定するということで、これが決まらないと考えにくいということらしい。世界的にみると、各国の財政悪化に伴い、買い取り価格は低下方向に向かっているらしいが、そうなると再生可能エネルギーの電源構成は、下がり方向になる。

全体に、積極的原発推進派と消去法的推進派(引き算派とも言える)、現実的反対派、根源的反対派という分類に分かれるようである。

まあ、まとめるとすると、「本来は再生可能エネルギーを安価に利用できればいいが、コストが高そうなので、エネルギーの供給不足を原発に頼ることになるのだが、日本のどこでも大地震や津波や火山の噴火のリスクがあって、それに耐えられる技術もないし、なにより適当な立地がないのが現実だから、困ったなあ」ということになるのだろうが、それでは、委員会の役にも立っていない上に、「そんなことは、最初からわかっているじゃないか」ということになるわけだ。

5月半ばまでに、様々な選択肢案を作成して公表する予定らしいが、まったく方向の違う選択肢を並べ立てたところで、誰が政策を決めるのだろうか。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿