DESTINY 鎌倉ものがたり(2017年 映画)

2019-10-08 00:00:52 | 映画・演劇・Video
同名の長編漫画「鎌倉ものがたり」のごく一部を映画化した作品。原作者の西岸良平氏は「三丁目の夕日」も映画界に進呈されている。

まず、現在、「畠中恵著:『しゃばけ』シリーズ」を読んでいるのだが、共通するところが多い。妖怪や死神などが跋扈し、しかも難事件を解決しなければならない。時空間は「しゃばけ」は江戸時代末期の日本橋。「鎌倉ものがたり」は現代に限りなく近い鎌倉である。

ようするに、鎌倉は今でも「妖(あやかし)」の町ということだ。



登場人物は、売れない推理作家の一色正和(演:堺雅人)と新妻の亜希子(演:高畑充希)。代々鎌倉に在住する正和は地元人らしく妖怪のいくつかは知っているし、死者の魂が例外的に黄泉の国から戻っていることも知っている。お手伝いさんのキン(演:中村玉緒)は140歳位だ。

さらに、地元警察の顧問にもなっていて、推理小説や妖怪の知識で難事件を解決したりしている。そしてある日毒キノコを食べてから妖怪の姿を見ることができるようになる。

夫妻はついに貧乏神を家の中に見つけ、食事を与え懐柔することにも成功する(フィナーレの伏線なのだが)

そして、ストーリーは地上と黄泉の国の間を往復することになり、橋渡しをする死神(演:安藤サクラ)が登場し、一気にコミック化を始める。地上と黄泉の国の間をつなぐのは、旧型の一両編成の吊皮つきの江ノ電なのだ。

思うに、黄泉の国の存在もすべて、自分の大脳の中で作り出すものだそうだ。もちろん犯罪者は黄泉の国にもいられない。自殺者の霊は死んだ場所から動けないそうなので、旅行好きの人はやらない方がいい。

堺雅人、高畑充希、安藤サクラの3人は最近、あちらにもこちらにも登場するので、なんとなく感情移入しにくい。「南極料理人」とか「クヒオ大佐」とか。小料理屋の女将(おかみ)には劇中の名前も与えられないが、いくつか重要な場面転換の時に登場する。演じるのは薬師丸ひろ子。もしかしたら妖の一族ではないだろうか。

なお、いうまでもなく鎌倉は鎌倉時代の中心都市である。北条15代が執権を務め、度重なる元寇(元と高麗の連合軍との本土上陸戦)にも耐えた政治都市である。日本史上、いくつかの政権交代があったわけだが、街を枕に海陸から猛攻撃を浴び、守備隊が全滅したのは鎌倉だけである。日本のイスタンブールである。しかし、できれば住みたい町でもあるのだが、新規分譲などあり得ない場所なのだ。在住の先輩の中には病態悪化の方も何人かいるのだがお友達になるといいことないかなとか、頭の片隅には浮かぶが、天井裏に貧乏神が住んでいたりすると困るし、建築基準法の既存不適格物件が多数あるようで、建て替えは難しいそうだ。

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