ある古本屋の閉店

2018-10-25 00:00:30 | 市民A
先週末に東京池袋の立教大学に所用で行ったのだが、大学のすぐ近くにある古本屋が閉店セールをしていた。7割引きとか書かれていたのだが、ハゲタカのような気がして、遠くから見るだけにした。「夏目書房」と書かれていて、帰宅後ちょっとネット上で調べてみると、色々なことがあることがわかった。

natsume


まず、過去に夏目書房という歴史のある出版社があったのだが、2007年に破綻していた。その後、(株)サイゾーが出資して、夏目書房新社という新しい会社として渋谷で再出発しているが、成功しているのかどうかはっきりしない。ともかく、この会社は古書店とは関係ないようだ。

で、古書店の方だが、大正時代からある店を構えていて、一時は阿佐ヶ谷と池袋と神保町に3店舗を構えていたようだ。池袋を閉鎖すると神保町の1店舗だけになるようだ。

池袋の西口には、夏目書房の他に八勝堂書店という古書店があり、八勝堂の方は、店主の後継者が見つからず、今年の春に閉店になったそうだ。相次ぐ閉店で、本当は立教の学生が困るはずなのだが、そんな声はないらしい。そもそも、古書店は学生街に「古書店街」として自然発生するらしく、御茶ノ水周辺の大学密集地区に神保町古書店街があったり早稲田の近くに早稲田古書店街があるらしい。三田の近くには古書店は見当たらないので、古書店が消えたことで立教もやっと脱活字学習化の点で慶応に追いついたということだろうか。

そして、古書店というのは二つの要素で減っているらしい。一つは、新刊書店が減っているという理由。2000年の頃には20,000店あったものが、今や10,000店ぐらい。この中には古書店も含まれているのだが、古書店は2000店弱位らしい。神保町には170店あるそうだ。

もう一つの理由はブックオフが古書ビジネスを破壊したということらしい。古書を安く売るため、その価格が普通の古書店にも影響して売上金額が減ったことと、その結果、本の買取価格も下げざるを得なくなり、バカバカしくて本を売る人が減ったということらしい。
(もしかしたら中古価格が安いので本を買う人が減るということもあるのかもしれない)

もっともブックオフの創設者は足を洗って、今や「俺の○○○○」という新しいビジネスモデルのレストランを増殖中なのだが、長くやっていくとどういうことになるのだろうか。


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