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今日は難しいエンジンの話は一休みです。
デュオグライドのティンプライマリーカバーを外したところです。
アルミ製のプライマリーハウジングと違い、チェーンの張り調整はミッションを前後に動かして行います。
赤矢印はブリーザーのクランクケース出口で、緑矢印のオイラー出口と兼ねています。
暫らくエンジンを掛けないでいると、タンクのオイルがクランクケースに落ちてしまい、エンジンを始動したときに大量のオイルがココから出てくる場合もあります。
白矢印は隠れて見えませんが、オイルを排出する穴です。走りながらオイルを捨てるなど現在では考えられませんが、当時のオオラカサが偲ばれます。
プライマリーカバーも初期のアルミハウジングではオイルの密閉が完全でないのは、その直前がコレですから、そう考えると腹も立たないのでは?
このコンペンセイターは’55年から’70年前期まで使われていました。10月15日の記事で紹介したコレ以降のモノは現在とホトンド変わりません。
ナットを回す手造りのSSTです。こういった比較的簡単に作れるSSTは必要になったらその都度作ることをお勧めします。苦労して「当て棒など使いハンマーで叩けばナットを回す事」が出来るかもしれませんが、SSTを作るより短い時間でできるか分かりませんし、キズだらけにしてしまった部品はオーナーには見せられません。
レベルの高い仕事を目指すなら、まずSSTを用意することから始まるのかもしれません。例えそれが借りてきたものでも、手造りしたものでも。
SSTのピンはナットの穴に嵌ります。
ネジは普通の右ネジです。インパクトレンチを使ったので、簡単に緩みました。
ナットは一体の削りだしで、純正のパーツカタログにも品番は載っていませんから、勿論新品は普通では買えません。
ナットといえども無骨ですね~。丸棒から削りだすと、3分の2は捨ててしまいそうです。コストダウンが進んでいない頃はこうした部品がアチコチに使ってあります。旧いバイクは外観だけでなく、こうしたところにも魅力が感じられます。
カムはコレ以降と較べると華奢な感じがします。
パーツカタログで確認すると、ソリッドのモータースプロケットも併記されています。さすがのアメリカも舗装道路が普及したのはこの頃だったのでしょうか?ダートの走行だったらコンペイセイターのシステムは必要ではなかったろうし、それともリアサスペンションが採用された近辺の時期だから、快適さの追求がされ始めたということなのだろうか?
4速ミッションのメインシャフトとクラッチハブがテーパー勘合なのは、この時代も同じで、SSTがないと取り外しは困難極まります。
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