三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

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オタル港をふたたび軍港としないために 2016年

2016年01月14日 | 個人史・地域史・世界史
 1月7日午後、オタル市から米空母に反対する市民の会に、
    “オタル港長(オタル海上保安部長)からオタル港湾管理者(オタル市長)に、アメリカ
    合州国の軍艦「パトリオット」が2月3日午前9時から2月7日午前9時まで、「ベンフォー
    ルド」が2月5日午前9時から2月9日午前9時まで、オタル港に停泊するので岸壁の手
    配を希望するという通知があった”、
という連絡がありました。
 アメリカ合州国艦船は、毎年のように、オタル港に侵入しています。アメリカ合州国艦船のオタル港使用が常習化され、オタル港の再軍港化がすすめられています(このブログの2011年1月22日の「オタル市長、アメリカ合州国軍艦の入港を許可」、2011年1月26日の「アメリカ合州国軍艦の入港を許可したオタル市長に抗議」、2012年1月16日の「「マスティン」入港反対」、2012年1月17日の「すべての軍艦の入港を拒否する」、2013年1月18日の「アメリカ合州国軍将兵との友好・親善、拒否」、2013年1月28日の「アメリカ合州国海軍艦船のオタル入港容認に抗議」、2015年1月9日の「オタル港をふたたび軍港としないために」をみてください)。
 米空母に反対する市民の会は、きょう(1月14日)、改憲阻止! 労働者市民行動、ピリカ全国実行委員会・札幌圏とともに森井秀明オタル市長(オタル港湾管理者)に「パトリオット」と「ベンフォールド」のオタル入港を許可しないことを要請ました。
 オタル市からは、市長の代わりに、中田克浩総務部次長、石坂康雄総務部課長、長谷川達史総務部係長が出席しました。
 アメリカ合州国軍艦のオタル港への入港を常習化させないためにどうするかを中心とする午後5時からの1時間20分の話し合いのなかで、中田克浩総務部次長は、わたしたちの要請を市長に伝え、10日後の24日までに文書で回答すると約束しました。
 オタル市長への要請の全文は、つぎのとおりです。
                        
                           米空母に反対する市民の会 佐藤正人

■要請
(一)
 毎年2月のアメリカ合州国軍艦のオタル港入港が常習化しており、オタル港の再軍港化がすすめられています。
 今年も、在日アメリカ合州国海軍司令部は、アメリカ合州国海軍第7艦隊に所属し佐世保港を「母港」としている掃海艦「パトリオット」の2月3日午前9時から2月7日午前9時までのオタル港使用と、アメリカ合州国海軍第7艦隊に所属し横須賀港を「母港」としているミサイル駆逐艦「ベンフォールド」の2月5日午前9時から2月9日午前9時までのオタル港使用を、オタル港長(オタル海上保安部長)を経由してオタル港湾管理者(オタル市長)に要請してきました。

 アメリカ合州国軍艦の民間港への入港は、日本とアメリカ合州国の軍事同盟体制を維持・強化し、地域政府や地域民衆を戦争に協力させようとするものです。
 在日アメリカ合州国海軍司令部は、2009年2月の第7艦隊所属のミサイル駆逐艦「フィッツジェラルド」のオタル入港を「通常入港」としていました。軍艦の「通常入港」は、軍事行動そのものです。
 2011年2月に「フィッツジェラルド」が再びオタル港に侵入してきましたが、このとき在日アメリカ合州国海軍司令部は、アメリカ合州国軍艦のオタル入港目的を、「通常入港」から「親善及び友好」に変え、さらに2014年7月のアメリカ合州国第7艦隊旗艦である海軍指揮統制艦「ブルーリッジ」の入港目的から「友好」をはずして「親善」とし、翌年(2015年)2月の「マスティン」の入港目的も「親善」とし、こんかいも、「パトリオット」と「ベンフォールド」のオタル港への入港目的を「親善」としています。
 軍艦とその乗員の行動はすべて軍事行動です。軍艦の「補給」やその乗員の「休養」はもちろん、軍艦に乗って軍服を着てやってくる将兵の「親善」行動も「友好」行動も軍事行動です。アメリカ合州国艦船の入港は「通常入港」であろうと、「親善」や「友好」をかかげた入港であろうと、すべて軍事行動です。
 昨年5月17日から23日まで、フランスの強襲揚陸艦「ディクスミュード」が、佐世保のアメリカ合州国海軍基地に寄港しました。入港前に日本軍(自衛隊)、アメリカ合州国軍との共同訓練が行われました。在日フランス大使館は、この寄港を「フランス海軍「ディクスミュード」が佐世保に親善寄港」と規定していました。そのことは、「親善寄港」が軍事行動であることを鮮明に示しています。
 軍艦やその乗組員と「友好」したり「親善」したりするのは、戦争犯罪に加担することであり、わたしたちは、かれらとの「友好」も「親善」も拒否します。

 オタル港の管理権をもつオタル市長は、アメリカ合州国海軍の軍艦「パトリオット」と「ベンフォールド」のオタル港の岸壁使用を許可しないでください。

(二)
 1997年9月にアメリカ合州国海軍第7艦隊所属の空母「インディペンデンス」がオタルを出港した後、1997年10月に、オタル市は、在札幌アメリカ合州国総領事館に、「今後アメリカ合州国軍艦船がオタルに入港しようとする際には核兵器搭載の有無を文書で回答してほしい」という趣旨の申入れをおこない、在札幌アメリカ合州国総領事館は、それを了承しました(1998年10月のオタル市議会で、市長らが報告)。
 「ベンフォールド」は、核弾頭搭載可能なトマホーク巡航ミサイルの発射能力を持つイージスミサイル駆逐艦です。オタル市は、核兵器搭載の有無の文書回答をアメリカ合州国政府機関からかならず入手して下さい。
 2000年に、日本政府がアメリカ合州国政府と1960年に核兵器を積んだアメリカ合州国艦船の日本寄港を事前協議の対象外とするという密約を結んでいたことが明らかにされました。
 アメリカ合州国第7艦隊空母「インディペンデンス」、アメリカ合州国第7艦隊旗艦「ブルーリッジ」、アメリカ合州国第7艦隊空母「キティホーク」などのアメリカ合州国艦船がオタル港に侵入するときにくりかえされた「事前協議がないから、核もちこみはない」という外務省の断言は、ウソであり、このウソを外務省はくりかえしていました。
 2008年9月25日に、原子炉2基と爆撃機85機と大型艦対空ミサイル火器3基を搭載した原子力空母「ジョージ・ワシントン」が、横須賀に入港し、横須賀港を「母港」としました。昨年(2015年)5月18日に「ジョージ・ワシントン」が横須賀を去ったあと、10月1日に原子力空母「ロナルド・レーガン」が横須賀市民をはじめとする多くの市民の「来るな! 原子力空母」、 「No CVN(核推進航空母艦)」、「私たちはあなた方を歓迎しない。 これまで横須賀に配置された米空母やイージス艦は国際法に反してイラク戦争など先制攻撃をした」……という反対運動のなか、横須賀に入港し、横須賀港を「母港」としました。
 「ベンフォールド」が横須賀に侵入し、横須賀を「母港」としたのは、原子力空母「ロナルド・レーガン」がアメリカ合州国海軍横須賀基地に「配備」されてから半月あまりのちの昨年10月19日でした。
 こんご、アメリカ合州国太平洋艦隊第5空母打撃群に所属する核兵器を搭載した原子力空母「ロナルド・レーガン」のオタル入港要請もありうることです。オタル市は、「ベンフォールド」が核兵器搭載しているかどうかの文書回答をアメリカ合州国政府機関からかならず入手して下さい。
 オタル市の1982年6月28日の「核兵器廃絶平和都市宣言」を空文化しないでください。

(三)
 外務省が1983年12月に「秘 無期限」として作成し、いまなお開示を拒否している機密文書『日米地位協定の考え方・増補版』(原本は1973年4月に作成)を、日本政府は、特定秘密保護法で定める「特定秘密」に指定するおそれがあります。
 特定秘密保護法は、民衆が知らなければならない国家の情報を民衆に隠し、国家犯罪を遂行するための新法で、2014年12月10日に施行された民衆弾圧法です。
 『琉球新報』は、2004年7月までにこの外務省機密文書全文を報道し、同年12月に『日米地位協定の考え方・増補版』を収録した単行本『日米地位協定の考え方 外務省機密文書』を発行しました。その外務省文書の「第五条 一 施設・区域外の港・飛行場からの出入国」には、
    「港湾施設の使用に関する合同委員会の合意の中には「米軍が優先使用施設・区域の
    使用を希望する際は、使用に先立ってすみやかに日本側管理機関に通告する。」旨の
    規定があるが(港の優先使用施設としては現在は、小樽、室蘭港がその対象として合意
    されている。)」
と書かれています。
 民間港は、港湾法によって港湾管理者である自治体が管理権を持っているのですが、日本中央政府とアメリカ合州国政府は、オタル港やムロラン港については、それを実質的に無効化しようとしています。
今回の「パトリオット」と「ベンフォールド」のオタル港入港打診は、アメリカ合州国軍のオタル港優先使用の予備的行為です。
 オタル市長は、自治体の長として、オタル港やムロラン港がアメリカ合州国軍の「優先使用施設」とされている外務省文書の開示を日本中央政府に請求するとともに、オタル港とムロラン港をアメリカ合州国軍の「優先使用施設」としている「港湾施設の使用に関する合同委員会の合意」をとりけさせる努力を重ねてください。

(四)
 昨年(2015年)9月19日に、自民党とそれに追随する公明党などが政権をにぎっている日本中央政府が、「平和」をかかげる戦争法(「平和安全法制整備法」と「国際平和支援法」)を成立させました(9月30日に公布)。
 戦争法は、他国を軍事侵略する集団的自衛権行使を容認する法律です。戦争法がまもなく施行されようとしているこの時期に、日本の地域政府が戦争非協力・戦争反対の意思を示すことは、日本中央政府の戦争協力(参戦)策動を阻止するのに大きな役割を果たします。 
 オタル市長は、地域政府の長として、戦争非協力の意思を明確に示すとともに、中央政府の戦争協力(参戦)策動に反対する意思を具体的に示して下さい。
 オタル市長は、オタル港を平和目的以外に使用させないという意志を、明確に示して下さい。

(五)
 かつて日本軍によって軍港として使われていたオタル港は、朝鮮戦争のさいにもアメリカ合州国軍の軍港とされました。
 わたしたちは、オタル港をふたたび軍港としないために、オタル市長に、憲法と港湾法と地域政府の自治をまもろうとする姿勢を堅持し、いっさい軍艦のオタル入港を許可しないことを要請します。
 軍艦のオタル入港を認めることは、市民の平和と地域自治の願いに反して、軍事行動に地域政府(地方自治体)の長が協力することです。
 オタル市長は、いっさいの軍艦にたいしオタル港の岸壁使用を許可しないでください。
 アメリカ合州国軍艦のオタル港入港を常習化させないでください。

(六)
 オタル港に、毎年のようにアメリカ合州国の軍艦が入港しようとし、入港している問題について市民とともに語り合う集会を主催してください。
 市民とともにアメリカ合州国軍艦のオタル入港の常習化を阻止するために、できることを急いで具体的におこなってください。
 米空母に反対する市民の会は、このことを、これまでくりかえし山田勝麿前々オタル市長、中松義治前オタル市長に要請してきました。しかし、これまでのオタル市長は、アメリカ合州国軍艦のオタル入港の常習化を阻止するために、市民とともに語りあい、市民とともに具体的な対策を実践しようとしてきませんでした。
 昨年4月末に新しく就任した森井秀明オタル市長は、オタルを再び軍港都市にしないために、前々任者や前任者の無策をのりこえて、積極的に軍艦のオタル港への入港を阻止する対策を市民とともに実践してください。

 以上の要請に、10日後の1月24日までに、文書で回答してください。

     2014年1月14日
                   米空母に反対する市民の会
                   改憲阻止! 労働者市民行動 
                   ピリカ全国実行委員会・札幌圏
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