三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

証言の客観性を保証する聞き手の主体のありかたについて

2019年02月09日 | 海南島近現代史研究会
 以下は、きょう( 2019年2月9日)開催した海南島近現代史研究会第23回定例研究会(主題:証言、史料(文書・映像、音声、遺物、遺跡)での佐藤正人の報告(証言の客観性を保証する聞き手の主体のありかたについて)の要旨です。
 次回の海南島近現代史研究会第24回定例研究会・第13回総会は、今年8月24日に開催します。
 

■証言の客観性を保証する聞き手の主体のありかたについて■
            
■歴史的事実を知る作業の基礎  史料を相対化し総合的に分析する
 国民国家日本の国家犯罪にかかわる諸事実を詳細に具体的に聞きとり、記録するとともに、文書史料を探索し収集し、すべてを批判的に分析する。

■抗日反日闘争と日本の侵略犯罪事実(史実)を明らかにする史料の収集と分析
 文書史料、口述史料、「もの」史料(遺物、遺構、遺跡)。
 事実が隠蔽されてきている国民国家日本の侵略犯罪史を解明するためには、「もの」史料、口述史料がとくに重要。口述史料が決定的な役割を果たす。
 「朝鮮村」虐殺、月塘村虐殺、后石村虐殺、咸来虐殺、互助郷長仙聯村(長仙村、坡村、三古村、南橋村、雅昌村、佳文村、風嶺村、吉嶺村、官園村ら9村)虐殺、互助郷波鰲村ら3か村の虐殺、文池村・龍興村虐殺、楽羅村虐殺、古橋村・東寨村虐殺、 英州鎭大坡村虐殺、北岸郷(北岸村・大洋村)虐殺、秀田村虐殺、重光鎮昌文村虐殺、重光鎮白石嶺村虐殺、重光鎮排田村虐殺、重光鎮賜第村虐殺、黄竹镇大河村・后田村・牛耕坡村・周公村虐殺、老欧村虐殺、白沙黎族自治県邦溪鎮南北溝村虐殺、石馬村虐殺、東閣鎮林村村虐殺、東閣鎮金牛流坑村虐殺、東閣鎮鳌頭村虐殺、東方市旦場村虐殺、土卜村虐殺、南文村虐殺、光田村虐殺、下市尾村虐殺、 昌美村虐殺、調楼村虐殺、排坑村虐殺、八所虐殺、沙土虐殺、共建村(元、牙寒村)虐殺、港坡村虐殺、礼亭村虐殺、三十笠村虐殺、保亭黎族苗族自治県新政鎮番雅村虐殺、三竈島虐殺……の日本軍の侵略犯罪の基礎証拠は、被害者・目撃者の証言(口述)と墳墓と追悼碑と「記念碑」。

■モノ・「場」
 アジア太平洋戦争の「場」。 犯罪現場・抗日根拠地。交錯する「場」。
 住民虐殺現場は犯罪の「遺跡」として残されていない。
 日本政府・日本軍・日本企業の海南島侵略犯罪の証拠物(海南島の人びとの証言によって証拠であることが明確になる)。
    日本軍が放火・破壊して家の跡、日本海軍飛行場跡、港湾跡、橋梁跡、鉄道跡、発電所
   跡、日本軍望楼跡、日本軍兵営跡、砲台跡、トーチカ跡、施設(軍用倉庫、火薬庫、給水
   塔)跡、道路跡、洞窟跡、特攻艇基地跡、「慰安所」跡、日本語学校跡、アヘン畑跡。

■国民国家日本の国家犯罪を、総体として認識し伝達する方法
 加害者は、犯罪の「記憶」をほとんど語らないまま、沈黙のまま自然死している。
    旧日本軍兵士、朝鮮総督府行刑関係者……の沈黙・証言(告白)拒否。
    数人が広東裁判で死刑。ほとんどが「帰還」。
    日本政府・日本軍・日本企業と日本兵……が一体となって加害記録を隠蔽・抹殺。
 国民国家日本の国民(1947年5月2日までは「大日本帝国臣民」)は、異族から奪い、異族を殺害してきた。殺された人たちの名前は、ほとんど記録されていない。名前が記録されていないということは、その人たちの生涯をたどることが極めて難しくなっているということ。
 さまざまな人生・体験   被害者の人生  犠牲者の生と死。  加害者の人生。

■証言の客観性
 証言の内容は、証言者と聞きとる者との関係によって、その質が決まっていく。
 証言の客観性は、証言者と聞きとる者との関係のありかたに規定される。
 証言者との信頼関係を実践的に築いていくことが、証言の歴史性を豊かにし、証言の客観性・真実性を保証する。
 証言の真実性を検証しなければならないのは当然のこと。問題は、その方法。
 記憶違いや曖昧な記憶に基づく証言の信憑性を確かめることも必要。年月の経過とともに、証言者が少なくなっていき、証言者の記憶が鮮明でなくなっていく。

■史料批判
 史実を明らかにしようとするとき、史料の信憑性を検証する史料批判が不可欠。
 自伝をふくむ文書史料だけでなく、口述資料(聞きとりの記録、映像、音声)もその信憑性を確認しなければならない。
 口述記録:1、聞きとりの段階、2、聞きとった内容を整理する段階、3、聞きとった内容を分析する段階のそれぞれにおいて信憑性を検証しなければならない。
 口述史料批判を、文書史料批判、文献資料点検とともにおこなうことによって、証言、文書、文献それぞれの信憑性を確かめることができる。そのとき、できるだけ多くの複数の史料を照合しなければならない。
 文書史料(報告書・手記・自伝、文書記録、日誌・新聞……、歴史地図・年表……)。

■証言を文字で記録する作業
 聞きとることとそれを記録することは、その歴史的事実にかんする史料を作成する作業。証言を文字で記録する作業には、その証言の信憑性を検証する作業が内包されている。
 日本の侵略犯罪の被害者・目撃者みずからがその記憶を、文字や絵などで表した記録の内容と、その記憶を聞きとった者が文字で表した記録の内容とは、同一ではない。
 証言の内容を、証言を聞いた瞬間に即時に理解するためには、証言されている世界にかんする知識が必要である。たとえば、証言者がある地域における經驗を語ったとき、その位置だけでなくその地域の歴史や地形などをおおまかにでも知っていなければ、証言内容を的確に理解できないし、その經驗についてさらに深く聞きとりすることもできない。

■証言者と記録者の共同作業 聞きとりを記録する者の歴史研究・歴史認識の方法の問題
 「現地調査」・必然的な偶然の出会い。
 何度も出会って話を聞かせてもらうことによって事実をより鮮明に知ることができる。
 日本の国家犯罪にかかわる幸存者・被害者・目撃者の証言を聞きとり、記録することは、日本の国家犯罪の歴史的証拠を、証言者と記録者が共同で確定すること。
 死者からは聞きとりできない。

■これから
 日本政府・日本軍の侵略犯罪の解明 → 責任追及(犯罪の責任・犯罪を隠しつづけてきた責任)→ 国家謝罪・国家賠償、責任者処罰(侵略犯罪の最悪の責任者は、ヒロヒト)。
 海南島に侵入した日本企業(三井物産、日本窒素、石原産業、西松組〈現、西松建設〉、浅野セメント、王子製紙、武田薬品、資生堂、三越、トヨタ自動車、明治製糖、……)の過去と現在の侵略犯罪解明・責任追及。
 天皇制を支持し他地域他国侵略を実行してきた日本民衆(労働者、農民、会社員、漁民、商人、官吏、医者、看護師、店員、教師、主婦……)は、
  1、日本国家の他地域他国侵略の歴史(侵略の原因、動機、経過、実体)を知り、
  2、過去と現在と未来の侵略の歴史を克服する過程で、
日本ナショナリズム(その根源は天皇制)を克服できるかもしれない。
 日本民衆が、日本政府に国民国家日本の侵略犯罪事実を認めさせ、謝罪させ、賠償させ、責任者を処罰させることなしに、日本民衆とアジア太平洋諸国の民衆との友好、親善、和解は成立しない。
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