三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

「海南島同胞實情」 2

2010年10月17日 | 海南島からの朝鮮人帰還
■海南島同胞實情(続)

  同胞の苦節はとうてい形容することができない実情であり、衛生状態は、同胞の8割が脚気患者であり、熱帯地方特有のマラリアが発生し、多くの患者がいるが、衛生設備はきわめて貧弱であり、薬品はまったくなく、救助の道はない。さらに、米、野菜等の不足で、全居留同胞が罹病の危険性が確実であり、全滅の危機にある。
 帰還問題にかんしては、3月11日まで3回の船が出たが、第1回目から、日本人といっしょに乗船させるといいながら、第3回目まで朝鮮人を乗船させず騙してきた。第4回目は、3月18日、播磨丸という1万トン級の船が出るので、かならず朝鮮人を乗船させるといいつつ、これまでと同じく朝鮮人はひとりも乗船させないため、金、李、両君はやむをえず、(海南島を)脱出して密航を企図した。18日と翌19日は食事もできず、この事実を本国同胞に知らせようと、ありとある困難と辛苦をへて、去る29日に広島県宇品港に上陸したのである。
 いま海南島では同胞が朝鮮僑民会という団体を組織している。会長は洪改植氏、副会長は張壽鳳氏というが、その団体の勢力はまったく無力である。
 ゆえに、同胞はいっそう悲惨な待遇を受けている。
 こうした苦節のうちにも、数千万里の波濤をこえ、一日も早く祖国の建設に参加しようと、毎日朝には、祖国独立を合掌祝福しているという。このような話をし、両君は、朝聯を訪問した。そして、この事実を話し、海南島同胞の財産が約300万円になる、全員が帰還後には自由に(この財産を)使用できるといい、一刻も早く救助してくれることを、中国代表団とマ司令部への交渉を依頼した。
 読者同胞よ! 涙なくしてこの事実を聞くことができようか。われわれ在日同胞も在外朝鮮人のひとりである。海南島の同胞のこの悲惨な苦節をわが苦節と考え、すみやかに救助運動を開始しよう。
 海南島同胞の健康を祈念しつつ、海南島同胞とともに祖国の独立を祝福しよう。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「海南島同胞實情」 1 | トップ | 海南島近現代史研究会事務局会議 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

海南島からの朝鮮人帰還」カテゴリの最新記事