三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

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鄭初美「強制連行・強制労働の事実を子どもたちにどう伝えるか」

2020年02月11日 | 海南島近現代史研究会
 以下は、2020年2月8日に開催した海南島近現代史研究会第25回定例研究会(主題:歴史認識と社会変革)での鄭初美(チョンチョミ)さんの報告(強制連行・強制労働の事実を子どもたちにどう伝えるか)の要旨です。
 次回の海南島近現代史研究会第14回総会・第26回定例研究会は、9月5日に開催します。

                       海南島近現代史研究会


■強制連行・強制労働の事実を子どもたちにどう伝えるか■         

1、大阪の民族学級
  ・1948年4・24阪神教育闘争の後、「覚書」民族学級(1950年~)
  ・「長橋小学校」から始まった民族学級(1972年)
  ・生野、東成地域「自主民族学級」(1980年前後)

2、運動による民族学級の継続、広がり
  ・民族教育促進協議会
  ・後任民族講師の措置
  ・大阪市、大阪府との交渉
  ・大阪市「民族クラブ技術指導者招聘事業」の予算化(1992年)

3、大阪市の民族学級の現状
  ・2018年度から「国際クラブ」という名称になる。
   ⇒子どもたちのアイデンティティー確立の場としての意義が認識されにくい。
  ・2018年道徳の教科化による人権教育への視点の欠如傾向。2020年度からの英語
   の時間数確保のため、民族学級の時間の確保が困難になる予想。

4、教科書採択の問題
  ・大阪市小学校社会(教育出版)
  ・大阪市中学校歴史(育鵬社)

5、取り組みの難しさ
  民族学級「国際クラブ」は年間30時間~35時間程度で、殆どは複数学年合同授業を行う。
  友渕小学校では現在1.2年と3.4.5.6年の2クラスに分かれて授業を行う。このような状況から、歴史の授業は時間数にすれば極わずかしかとれない。
  また、学級でほとんど強制連行の事実を学ぶことがなく、民族学級(国際クラブ)での授業に異議を唱える保護者も存在するため、教職員も授業内容に対して過敏になる傾向がある。

6、教材の選択・作成
  ・自主教材の作成
  ・観点―歴史的事実そのものを伝えるのではなく、出来事の中で歴史的事実を知る。
  ・授業の中で子どもたちの様子
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