三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

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「朴槿恵政権も阻止した日本の「世界遺産の焦点ぼかし」…尹政権「歴史の試験台」へ」

2024年06月08日 | 国民国家日本の侵略犯罪
「The Hankyoreh」 2024-06-08 06:47
■朴槿恵政権も阻止した日本の「世界遺産の焦点ぼかし」…尹政権「歴史の試験台」へ
「強制動員」行われた日本の佐渡鉱山、世界遺産登録保留に

【写真】新潟県佐渡市佐渡鉱山で最も代表的な遺跡地である「北沢浮遊選鉱場」の様子。日本で初めて金銀鉱石から金・銀などを採取する浮遊選鉱法という工法を導入した。東洋最大規模とされる同施設は1938年に建設された=キム・ソヨン特派員//ハンギョレ新聞社

 ユネスコの諮問機関である国際記念物遺跡協会議(ICOMOS、イコモス)が日本による植民地時代の時、朝鮮人強制動員が大規模に行われた日本の佐渡鉱山(「佐渡島の金山」)の世界遺産登録と関連し、「保留」を勧告したことで、最終結果をめぐり激しい韓日外交戦が予想される。来月、佐渡鉱山が世界遺産に登録されても、日本が「朝鮮人強制動員」を認め、全体の歴史を理解できる措置を取ると約束した2015年のユネスコ決定が維持されるかに注目が集まっている。
 日本文化庁は6日夜、「「佐渡島の金山」について、世界遺産登録を考慮するに値する価値があることは認められた上で、『情報照会』(保留)という勧告がなされた」とし、「来月7月にインドで開催される世界遺産委員会において『記載』(登録)決議とすべき対応」する考えだと明らかにした。文化庁は「昨年の世界遺産委員会において『情報照会』の勧告を受けた文化遺産6件は、すべて昨年の世界遺産において『記載』決議となった」として、自信をのぞかせた。韓日など21の委員国が参加する世界遺産委員会は満場一致で決定するのが慣例だが、見解が異なる場合、3分の2以上が賛成すれば登録が可能だ。
 佐渡鉱山が最終的に登録されるかどうかは世界遺産委員会で決定されるが、専門家で構成された諮問機関であるイコモスの意見はかなりの影響力を持っており、日本が勧告を無視することは難しい。
 今回のイコモスの勧告内容では大きく2つが目を引く。日本文化庁が公開した資料によると、まずイコモスは佐渡鉱山と関連し、「鉱業採掘が行われていたすべての時期を通じた推薦資産に関する全体の歴史を現場レベルで包括的に扱う説明・展示戦略を策定し、施設・設備等を整えること」を明示した。
 これは日本政府が日本による植民地時代朝鮮人強制動員問題を露骨に避けるために世界遺産登録対象期間を戦国時代(1467~1590)末から江戸時代(1603~1867)に限定する「小細工」を指摘したものとみられる。1989年に廃鉱になった佐渡鉱山の場合、日本による植民地時代時代の1939年以降、約1500人にのぼる朝鮮人が強制動員され、苛酷な労働に苦しんだという事実が具体的な資料と証言で立証された。
 韓国外交部は「強制動員された韓国人労働者に対する事実を反映すべきだ」と日本政府に求めており、今回の結果が一方的譲歩を繰り返している「尹錫悦(ユン・ソクヨル)流の韓日外交」が大きく試される契機になる見通しだ。外交部当局者は7日、記者団に対し「われわれの立場が反映されなければ(登録に)反対しなければならない」とし、「投票まで行く状況はできるだけ避けて、韓日合意を成し遂げようとするのが両国政府の目標」だと述べた。
 佐渡鉱山が世界遺産に最終的に登録されても「朝鮮人強制動員」の認定など2015年7月ユネスコから韓国政府が得た結果が最後の砦にならざるをえない。当時、日本政府は軍艦島(端島)を含め「明治日本の産業革命遺産」23カ所の世界遺産登録を進める際、佐渡鉱山と同様に対象期間から朝鮮人が強制動員された日本による植民地時代時期を除外した。
 保守政権の朴槿恵(パク・クネ)政権は「世界遺産に対する歴史歪曲」だと強く反発し、政府レベルで対応したことで、日本政府から「朝鮮人強制動員」を認めさせるなどかなりの成果を得た。ユネスコは朝鮮人の強制動員を念頭に置いて「全体の歴史」を理解できる解釈戦略を用意するよう勧告しており、日本政府は受け入れた。日本政府が9年間にわたりユネスコの約束を守っていないが、今も定期的に約束履行状況をユネスコに報告しなければならないなど、最小限のけん制装置として働いている。
 ユネスコの状況だけを見ると、2015年より今の方が有利だ。佐渡鉱山はイコモスで「保留」の決定が出たが、2015年には軍艦島(端島)などが「記載」が勧告され、韓日交渉が容易ではなかった。2021年7月に新たに導入された世界遺産条約履行のための作業指針も、尹錫悦政権が活用できるカードだ。新たな指針には他の国家と潜在的対立を避けるために「対話を十分に行うように」定めている。韓国が日本の歴史歪曲を問題視して最後まで反対すれば、対話が十分になされなかったと見なされ、登録が失敗に終わる恐れもある。
 日本政府はイコモスの勧告の中で「全体の歴史の説明」部分にそれほど重きを置いていない。盛山正仁文部科学相はイコモス決定後の談話で、「イコモスで佐渡鉱山に対して世界遺産登録を考慮するに値する価値が認められた。勧告を真摯に受け止める」と言いながらも「朝鮮人強制動員」については全く触れなかった。
 ただし、韓国政府との対話が必要だという点は、何度も強調している。林芳正官房長官と上川陽子外相は同日の記者会見で「日本は佐渡鉱山の世界遺産登録実現に向け韓国と丁寧に議論を行っていく考え」だと述べた。
 イコモスが日本による植民地時代を含め明治時代以降、遺産が多く集中した「北沢地区」などを世界遺産の対象から除外するよう勧告したことも注目に値する。
 これは、日本政府が朝鮮人強制動員問題を避けようと対象期間を16~19世紀中盤に限定したことで生じたことだ。佐渡鉱山で最も代表的な遺跡地は北沢地区にある浮遊選鉱場だ。日本で初めて金銀鉱石から金・銀などを採取する浮遊選鉱法という工法を導入した。東洋最大規模として知られているこの施設は1938年に建設されたため、世界遺産の対象にはなれない。日本政府が朝鮮人強制動員問題を避けようとして、佐渡鉱山で最も有名な地区が世界遺産から抜ける笑えない状況になったわけだ。
 日本文化庁の担当者は毎日新聞に「イコモス勧告を真摯に受け止める。北沢地区を除外するかどうかは県、市、関係省庁と協議する」と語った。

東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-06-07 23:11


2024-06-08 06:54
■韓国外交部「佐渡鉱山の世界遺産登録の賛否は日本の態度次第」

【写真】新潟県佐渡市の佐渡鉱山内にある代表的な遺跡「北沢浮遊選鉱場」。金銀鉱石から金や銀などを採取する浮遊選鉱法という方法を日本で初めて導入した場所=佐渡鉱山/キム・ソヨン特派員

 韓国政府は、日帝強占期に朝鮮人たちが強制動員された現場である佐渡鉱山を日本がユネスコ世界文化遺産に登録しようとしていることについて、登録に対する韓国の賛否は日本の態度にかかっていると述べた。
 外交部の当局者は7日、「佐渡鉱山のユネスコ登録について、韓国の要求条件が満たされれば賛成するか」と記者団に問われ、「我々は日本に一貫した要求を伝え続けてきたし、登録に反対するかどうかは日本がどうするかにかかっている」とし、「我々の立場が反映されたと判断すれば、韓国政府はコンセンサス(全員の同意)形成を阻止しないことも検討はしている」と述べた。
 日本がユネスコへの登録の過程で、日帝強占期の朝鮮人の強制動員を含む佐渡鉱山の歴史全体を反映する措置を取るなら、登録には反対しないということだ。この当局者はしかし、「我々の立場が反映されないなら、(登録に)反対しなければならないだろう」とし、「投票にまで至る状況は最大限避けつつ韓日合意を実現する、というのが両国政府の望む目標」だと語った。その一方で「我々の立場がまったく反映されないなら、我々は最後まで登録を阻み、投票まで行くという立場」だと付け加えた。
 ユネスコの諮問機関である国際記念物遺跡会議(ICOMOS)は、佐渡鉱山の世界遺産登録について「情報参照(refer)」を勧告しつつ、資料の追加提出を要求した。日本の文化庁が6日に明らかにした。ICOMOSは勧告で「鉱業採掘が行われていたすべての時期を通じた推薦資産に関する全体の歴史を現場レベルで包括的に扱う説明・展示戦略を策定し、施設・設備などを整えること」と述べている。日本政府は佐渡鉱山の世界遺産登録の推進にあたって、対象期間を16~19世紀半ばに限定して、19世紀末~20世紀前半の朝鮮人の強制労役を意図的に排除していると批判されている。ICOMOSの勧告には、佐渡鉱山で朝鮮人が強制労働させられたことが分かるように「全体の歴史」を反映すべきとする韓国政府の要求が反映されていると解釈される。
 日本は2015年に端島炭鉱(軍艦島)などを「明治日本の産業革命遺産」としてユネスコに登録した際、朝鮮人強制動員の歴史を周知させることを国際社会に約束した。しかし、登録後は現場ではなく東京に「産業遺産情報センター」を設置し、朝鮮人強制動員の歴史もきちんと表示しないなど、約束を守っていない。
 これについて外交部の当局者は7日、「日本は(軍艦島)登録時の約束をきちんと履行していないと評価している」とし、「前回のことが繰り返されないように(佐渡鉱山については)日本に約束をきちんと履行させる方策を引き続き要求している」と語った。そして「日本が端島炭鉱登録時の約束をきちんと履行していないことについては、他のユネスコ世界遺産委員会の委員国も認識していると思う」と述べた。
 日本政府の報道官役を担う林芳正官房長官は7日の記者会見で、「佐渡島の金山の文化遺産としての素晴らしい価値が評価されるように、引き続き誠実かつ不断に丁寧な議論を(韓国政府と)おこなっていく」と述べた。
 日本政府は、ICOMOSが佐渡鉱山の登録について資料の補完を求める情報参照勧告をおこなったことに対して、「昨年の世界遺産委員会において『情報照会』勧告を受けた文化遺産6件は、全て昨年の世界遺産委員会において『記載』決議となった」としつつ、登録の可能性は高いと強調している。日本は、7月21~23日にインドのニューデリーで開催される世界遺産委員会での佐渡鉱山の登録を推進する方針だ。登録決定はユネスコ世界遺産委員会の21の委員国の3分の2以上の賛成で成立する、という規定があるものの、コンセンサス(全員同意)で決定するのが慣例となっている。

パク・ミンヒ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-06-07 14:03
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